議員日誌

元日経連常任理事・成瀬健生さんの指摘

 成瀬健男・元日経連常任理事の「雇用ポートフォリオ提言とこれからの雇用問題」(『連合総研レポート』2014年7・8月号掲載)からの抜粋です。

 「日経連では、この報告書(1995年『新時代の日本的経営』)を出してから毎年フォローアップ調査をやっていましたが、調査のたびに雇用柔軟型の比率が増えていくのに困惑したというのが実態です。振り返ってみれば、矢張り円高によるデフレへの認識の甘さがあったのでしょう。」

 「プラザ合意とリーマンショックによる過度な円高を主要な原因として、日本経済、日本企業はほぼ20年に亘り多大な犠牲を強いられることになりました。結果を端的に言えば、企業は低収益と研究開発費、教育訓練費の削減を強いられ、働く人間のサイドでは、20パーセント弱だった非正規雇用の比率が37パーセントにまで上がり、常用労働者の現金給与総額も1995年→2012年の間に・・・9.2パーセントの下落(毎勤ベース)ということになりました。そして、こうした雇用・賃金の劣化は日本社会に大きな影響を与えました。ピークで5。4パーセントという未曽有の失業率、職場ではメンタルヘルス問題の深刻化、教育訓練の不足による事故の多発、社会的には犯罪を含む社会不安の増です。」

 日本共産党97周年記念講演で志位和夫委員長は、成瀬氏は、「もし、いま日経連があるなら、今度は非正規の正規化を提言しているだろう」(「朝日:、2017年11月5日付)とも発言していることを紹介しています。

 その上で、志位委員長は、「安倍政権は、財界の当事者が『間違っていた』という道を、『間違っている』という自覚なしに暴走している。このような勢力に日本経済のかじ取りをまかせるわけには、もはやいかない」と指摘しました。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、8日、現在のペースで地球温暖化が進めば、2030~52年の間に世界の平均気温が産業革命前と比べて1.5度上昇する可能性が高いとの特別報告書をまとめました。

 報告書は、現在の気温は産業革命前から既に1度前後上がり、今のペースなら今後も10年で0.2度ずつ上昇すると指摘しています。

 今朝の毎日新聞は、この問題に関して、次のように書きました。

 「パリ協定に基づき、日本が自主的に定めた2030年度の温室効果が図の排出削減目標は13年度比26%削減。環境省は『達成可能な数字だ』と自信を見せるが、このまま各国の目標を積み上げても2度上昇を超える可能性があり、今回の特別報告書に照らしせば見直しを迫られるのは必至だ。日本は来年6月、中国やインドなどの新興国を含む主要20カ国・地域(G20)首脳会議で議長国を務める。世界自然保護基金(WWF)ジャパンの小西雅子・自然保護室次長は『(1.5度)の達成は困難だが、まだ不可能だと決めつけるべきではない。日本も報告書の内容を真剣に受け止め、G20でも論議をリードする姿勢を打ち出してほしい」

 上記報告書は、東アジアや北米などで豪雨や熱帯性低気圧のリスクが高まると強調しています。

 今年も、日本を豪雨と台風が何度も襲いましたが、気温上昇は、そのリスクが高まる原因の一つだと言えます。

 不破哲三社会科学研究所所長は、「資本主義が利潤第一主義で『高度成長』のあくなき追求、生産と消費の急膨張という道を進んできたことが、ついに、人類の生命維持装置である地球大気の構成を壊すほどの危機をひきおこしてしまった」と指摘しています。

 不破哲三さんは、「資本主義は、自分が21世紀に生き残る資格があるかどうかを試される最大の危機に直面しているのだ」とも指摘しています。

 「ルールある経済社会」をめざし、人間を大切にした、持続可能な社会の実現が今こそ求められているということを実感する昨今です。

 非正規労働と地球温暖化の拡大を皆さんはどうお考えですか。

 

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