議員日誌

新聞記者

 4月8日に、東京新聞社会部の望月衣塑子さんを講師に宇部市内で学習会を行います。

 学習会を一週間後に控え、改めて望月衣塑子さんの「新聞記者」(角川新書)を読み直しました。

 映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を観た後にこの本を読んだら感動が二倍に感じました。

 望月さんが菅官房長官の記者会見に出席し質問を行うようになって、「応援の声を心強く感じる一方で、目立てば目立つほど、やるせない思いが募った。」と書いています。

 朝日新聞の記者で、長くアメリカを取材する尾形聡彦さんの著書「乱流のホワイトハウス」には、日米記者の姿勢の違いが記されてあることがこの本に紹介されています。

 日本の菅官房長官の記者会見について尾形さんは「これがホワイトハウスの会見なら、ほぼ全社が政権に対峙する質問を波状攻撃のように続けるのが常だ」と述べているとこの本で紹介されています。

 映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を観るてアメリカのジャーナリズムの歴史を知ると、尾形さんの指摘に頷けます。

 望月さんはこう続けます。

 「残念な気持ちはぬぐえないが、それでも東京新聞は後押ししてくれた。たとえ官邸ににらまれ、不利益を被るような状況になっても読者の期待に応えよう、という方針も固められた。会社のある大幹部は電話をくれ、菅官房長官の定例会見を遠慮するなとさらに強く背中を押された。『政権への疑惑は一記者として、もっと聞くべきだと思っている。大丈夫だぞ、頑張れよ』」

 東京新聞には映画「ペンタゴン・ペーパーズ」でのワシントン・ポストのキャサリン・グラハムやベン・ブラッドリーがいることに勇気が湧いてきました。

 菅官房長官の記者会見では「『あと〇人』『あと〇問』と官邸の広報官が質問を打ち切っているのを認めるのが現状だ。」と書いた上で望月さんは、この事実を次のように書いています。

 「これは、メディアの自殺行為ではないか。あまりの出来事に呆然とし、愕然とした気持ちで涙があふれそうになった。日本のメディアの限界なのかと足が震えるほどの衝撃を受けた。」

 この本の最後に、望月さんは、マハトマ・ガンジーの言葉を引用しています。

 「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」

 その上で、望月さんは最後にこう述べています。

 「簡単には変えられないけれど、私自身が環境や周りに流され変わらないためにも。自分自身が正義と信じられるものを見失わないためにも。たとえ最後の一人になろうとも—。これらも記事が講演などを通じて、多くの方に政治や社会の問題点を伝えていく。未来を担う子どもたちのためにも、今の自分にできる一つ一つ積み重ねたいと思う。」

 二児の母でもある望月さんの思いが、この一文に出ていて、共感しました。

 山口県に初めて望月衣塑子さんが来られます。

 4月8日(日)午後2時~、宇部市多世代ふれあいセンターで行う望月衣塑子さんの講演会に多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

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