議員日誌

パノプティコン

 5月20日付、本願寺新報の「ニュースを読む」は、「テロ等準備罪」がテーマでした。

 埼玉県東松山市・西照寺僧侶の網代豊和さんが執筆者でした。

 網代僧侶は、「パノプティコン」の事を書いています。

 「東京工業大学の中島岳志教授が昨秋、築地本願寺で講演した内容を思い出した。近代監獄『パルプティコン』の構造を例に、権力に服従していく自主規制がはたらく構造が生まれつつある現況に警鐘を鳴らした。パノプティコンとは、中央の塔から囚人の収容されている部屋に向けて光を放って囚人を監視する監獄のこと。光によって監視者から囚人がよく見え、囚人からは監視者がまぶしくて見えない構造だそうだ。囚人はたとえ監視されていなくても、光が届いているだけで『見られている意識が植え付けられるので、監獄の運営としては効果的だという。」

 網代僧侶は、この小論をこうまとめました。

 「マイナンバー、そして『テロ等準備罪』と政府が創設する法案は、テロ対策に名を借りて権力者を都合よく一般人を監視する社会に向かっているように感じる。子どもの頃、『誰も見ていなくても、閻魔さまが見ている』と教えられた。最初の死者としてあの世に至り、死者の王となったといわれる閻魔王。その裁きは罪の多少に忠実であるが、世俗の権力者が自分の都合を優先して罪を裁けば、地上に地獄のような戦争や紛争が待ち構えている。」

 パノプティコンについては、今読んでいる小笠原みどり著「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」にも詳しく書かれています。

 「住基ネットや監視カメラを通じて、国家や企業がなにをしているのかは基本的には見えない。自分の情報を実際に集めているのかどうか、集めているとすればどんな情報を集めて、どんなことに使っているのか、その情報が正確なのかも、わからない。実際には集めていないかもしれないし、使っていないのかもしれない。しかし、住基ネットや監視カメラという構造自体が、そこにとらえられている住民や消費者の心理に変化を及ぼす。見られているという構造自体が、そこにとらえられている住民や消費者の心理に変化を及ぼす。見られている側が見ている側の視点を内面化し、自分の行動を管理するようになる。たとえば「よい住民」と思われるように、「ワンランク上の消費者」を目指すように。権力から疑われないよう、怪しまれないように。」

 パノプティコンとは、「みられる側が見ている側の視点を内面化し、自分の行動を管理するようになる。」ことなのですね。

 現在、国会で審議されている共謀罪法案は、日本で高度な「パノプティコン」を構築するための過程だと思えてしかたがありません。

 移動中の聴いていたNHKラジオでジョージ・オーウェルの「1984年」がテーマになっていました。

 日本が「ビック・ブラザー」率いる社会にしないために、自由と民主主義が大切にされる社会を維持していくために、共謀罪法案は廃案にするしかないと感じました。

 引き続き、小笠原みどり著「スノーデン、監視社会の恐怖を語る」を読み進めます。

 共謀罪法案に対するみなさんのご意見をお聞かせ下さい。

 

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