議員日誌

福祉医療費助成制度のセーフティーネットについて

 昨日、知事は記者会見を行い、待ちに待った福祉医療費助成制度一部負担金導入に対するのセーフティーネット対策の中身を明らかにしました。

 待ちに待った割には、極めて不十分なものと言わざるを得ません。

 内容は、重度障害者の方が多数の医療機関を受診した場合、外来の1ヶ月当たりの負担を2千円を上限とし、それ以上は無料にするというものです。

 私は、障害者の方々の願いの強さや厚生委員会での質疑内容からすれば、もっと大胆な対策が出てくるものと期待をしていました。私は、制度のフレーム自体の拡充が必要だと第一に考えます。

 その上で、この制度は、独自に無料化を継続する市町に対しては措置を講じない方針だという点は、大問題です。

 今度の福祉医療費助成制度の問題で、国によるペナルティーが大問題になりました。

 国は、福祉医療費助成制度を医療機関の窓口で医療費の自己負担分を支払わずに受診できる、現物給付方式を採用している市町村に対して、国民健康保険の国庫負担金を減額する措置を講じています。国に対して、この措置の廃止を求める意見書が、2月県議会厚生委員会で全会一致で可決しました。

 知事は、2月県議会厚生委員会の中で、「6億円のペナルティが国からつけられているということになる訳ですから、私はこの減額措置は廃止すべきであると考えておりますので、(中略)これからも、市町とも連携を深めて、引き続き、廃止をしてもらうように強く要望していきたいと思います」と述べました。

 私は、知事が、今度のセーフティーネットは、一部負担金を導入するところにしか出さないというのは、国のペナルティーと同質のものだと思います。

 国は、ペナルティーの理由を医療費の増嵩をもたらすからとしています。県が一部負担金を導入しない自治体に助成を行わない理由は何でしょうか。

 まさか、無料化により医療費が増嵩するからが理由ではないでしょう。

 県の政策に従わないから補助しないからというのなら、ますます、県のやり方は、国と同質です。

 国のペナルティーには廃止を求めている県が、市町への補助には、出す出さないで差を付けることに私は納得できません。

 県は、全20市町が一部負担金を導入した場合、こんどの制度の対象者は、400人台で、県の負担額は約300万円と説明しています。

 しかし、現状で、一部負担金を導入しようとしているのは、宇部市だけなので、県が実際に助成をする額はわずかになると考えられます。

 私は、県の助成制度のフレームを例えそのままにしたとしても、無料化を継続する多くの市町にも助成は行うべきだと考えます。全ての市町で同じ補助をすべきと考えます。

 その上で、私は、福祉医療費助成制度無料化継続が15市町に広がっている状況を受けて、県はこれからでも全ての市町で無料化が継続できるように助成枠を拡大すべきと考えます。

 この点での財源は、国からの補正予算に伴う基金などが活用できないか、まず、検討すべきだと考えます。

 そして、無料化を継続すべき大きな理由は、新型インフルエンザ感染の広がりです。 収束に向かう都道府県がある一方で、新たな感染者が生まれた都道府県も広がっています。

 子どもたちや障害者の方々、所得の低い方々が安心して医療を受けることのできる体制を維持していくことは、新型インフルエンザの感染を拡大しないためにも重要です。

 知事は、7月からの一部負担金導入についてはこれらの点から再検討すべきだと私は考えます。

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