引き続き、青木理著「闇の奥」を読んでいます。
青木さんの選択夫婦別姓に関する論評に共感しました。
青木さんは、1996年、法相の諮問機関が選択的夫婦別姓の導入を提言した際、「人類学者有志の会」の賛成声明を引用しています。
「夫婦同姓制度は、明治31年の民法制定以後に普及したものに過ぎません。しかも、それは欧米の結婚制度を範とされたものです。ですから、夫婦同姓は、『伝統的な日本の文化』という主張は、学問的に正しいものではありません。そもそも姓は、日本固有の文化ではありません。中国からの輸入文化です。それで中国古来の慣習に倣って、明治になるまで結婚によって姓を変えることはありませんでした。源頼朝の妻は北条政子で、足利義政の妻は日野富子。木下藤吉郎は、自分で勝手に羽柴と名乗り、周囲に認めさせた。日本人は中国に倣って『異文化』を取り入れましたが、中国式の慣習に固執することなく、柔軟に扱っていたのです。夫婦別姓に反対する人々は、長男が『後継ぎ』として家に残り、両親と同居する『三世代同居』が日本の文化であり、淳風美俗だと考えていますが、これも誤解です。日本の西南部では、末息子が家督を相続する『末子相続』という制度が広く見られました。家督を継ぐのは男に限られるわけでもありません。第一子であれば男女の別なく家督を継がせる慣習もありました。日本の家族制度は豊かな多様性を持っていたのです。」
「昔から日本の文化は地方色に彩られた多様性を持っていました。この多様性こそが日本の文化を豊かにしてきたのです。そのうえ日本人は進取の気風に富み、新しい文化を積極的に取り入れてきました。新しい文化を取り入れながら、多様な習慣を守ってきたのです。いつの時代も、古いものと新しいものを巧みに取り合わせ、多様性と活力を維持してきたのが日本の文化と言えるでしょう。文化とは、よりよい暮らしを求めて日々努力する人間が不断に変革していくものです。日本の文化は常に多様であり、常に変化してきたのです。新しい変化を恐れて、現状に甘んじることは、日本の伝統ではありません。勇気を持って積極的に新しい文化を生みだすことこそ日本の伝統なのです。」
今日の中国新聞に、「夫婦の姓」Q&Aが掲載されています。
この中に、「法務大臣の諮問機関が、1996年2月、別姓を選べるようにする民法改正要綱を答申しましたが、保守系議員の反対で法案提出に至っていません。」とあります。
青木さんが引用された「人類学者有志の会」賛成声明は、この答申について出されたものです。改めて、有志の会の賛成声明を国会議員の皆さんで共有していただきたいと思います。
中国新聞の記事には、更に「現行制度ではアイデンティティーの喪失キャリアの断絶につながるとして、選択的夫婦別姓の導入を求める声は根強いです。2024年10月に国連欧州本部で開かれた女性差別撤廃委員会の最終見解は、日本政府に4度目の改善勧告をしました。姓を選べないのは女性活躍を阻む一因とされ、経団連なども制度実現を求めています。」とあります。
ここでも、有志の会の賛成声明にある「現状に甘んじることは、日本の伝統では」ないとの指摘を学びたいと思います。
昨日の中国新聞に、共同通信による衆議院選挙で当選した議員へのアンケート調査結果が報じられています。
夫婦別姓では、「同姓を維持しつつ、通称機会を拡大」と答えた議員が、63.8%で最多でした。
今日の中国新聞は、「旧姓の通称使用法制化では、アイデンティティーに関わる問題は解決できないとの批判があります。個人の生き方や人権に直結する問題なのですから。」と書いています。
日本国憲法に、国民主権が明記され、個人の尊厳が明記されています。個人の尊厳を尊重す憲法を持つ国として、国連女性差別撤廃委員会の勧告や経団連の提言にも学び、選択的夫婦別姓制度を導入する選択をするべきだと私は、考えます。
夫婦の姓にいいての皆さんのご意見をお聞かせください。
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