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土砂災害特別警戒区域への太陽光発電施設設置を規制する条例制定を

 昨日、防府市を中心に活動する「野ばら生物多様性協議会(益田悦子代表)」は、村岡知事に対し、防府市「真尾地区太陽光発電所計画に関する要望」を提出しました。

 「防府市真尾地区太陽光発電所建設に関する要望」書を提出する益田悦子野ばら生物多様性協議会代表

 株式会社木下エネルギーパークが、ライフケア高砂跡地を建設予定地として太陽光発電所の設置を計画しています。
 予定地は土砂災害特別警戒区域、土砂災害警戒区域があり、要望書は「ひとたび災害が発生すれば漏電で可能性は極めて高く、人命に関わる甚大な被害、パネル損壊により有害物質が土壌・河川への浸透、流出の可能性など安全面からも適切な場所とはいえません。」と指摘しています。
 益田代表は、「2009年に土石流災害で、多くの人の命が奪われた。そのような場所に太陽光発電施設を建設すべきではない。土砂災害特別警戒区域に太陽光発電施設を設置できない規制を県は設けるべきだ。」と要望主旨を説明しました。
 要望書は、次の点を要望し、県から次の主旨の回答がありました。
 第一は、「計画内容を示し、防災、住民の安全対策など、説明をきちんとするよう、事業計画業者を指導していただきたい。」です。
 県商工労働部商政課の担当者は「太陽光発電事業に関わる事務は、国が担当している。県が業者を指導することは出来ない。」と答えました。
 第二は、「自然環境の保護、里山の景観を守り、絶滅危惧種、準絶滅危惧種など希少野生動植物の保護をするため、計画中止を表明していただきたい。」です。
 環境生活部自然保護課の担当者は「工事の過程で、保護が必要な動植物が発見された場合は、保護を業者に求めたい。事業の中止を求めることは出来ない。」と答えました。
 第三は、「土砂災害特別警戒区域への太陽光発電設置の禁止、警戒区域など設置に適さない場所への規制を含む太陽光発電設置に関する条例を策定していただきたい。」です。
 土木建築部砂防課の担当者は、「土砂災害特別警戒区域は、居住を伴う建物を建てることは出来ないが、太陽光発電施設は、居住を伴わない建物なので設置に関し法的問題はない。6月県議会で答弁したが、関係法令で対応しており、支障は生じていないので、条例制定は考えていない。」と答えました。
 私は、「太陽光発電所が災害を発生させる恐れがあることから、他県では条例を制定していることを県はどう受け止めているのか。国は、地球環境温暖化対策促進法を改正する中で、再生可能エネルギー発電施設の新設などを優遇する『促進区域』を設定しようとしている。『促進区域』は、『土砂災害特別警戒区域』などは含めない方向で検討されているとの報道がある。県は、国の動きをどう受け止めているのか。」と質しました。
 県の担当者は「他県や国の動向は承知している。」と答えました。
 私は、「県は、環境アセスの対象に太陽発電施設を含めた。また、林地開発の要綱に、太陽光発電施設を含めた。県は、太陽光発電施設について、関係法令では対処できない問題を対象にしてきた。県は、県内で、発生している再生可能エネルギー発電施設で発生している様々な問題を直視し、国や他県での取組に学び、太陽光発電施設を規制するガイドラインや条例を制定すべきだ。」と質しました。
 県の担当者は、「6月県議会で答弁した通り、条例制定は考えていない。」と答えました。
 私は、「再生可能エネルギー発電施設の設置の問題点を検証する全庁的なチームを立ち上げる時だ。」と重ねて要望しました。

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