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上関原発のための中国電力のボーリング調査に県が許可

 NHK山口放送局は、昨日の夕方、上関原発に係る中国電力の海上ボーリング調査に対して、県が許可を出したと次のように報じました。
 「上関町での原子力発電所の建設計画をめぐり、山口県は11日、中国電力が予定地の海域で行うボーリング調査に必要な許可を出しました。ただ、調査は反対する住民などの抗議活動でこれまでに2度中断されていて、今回も予定通り行えるかは不透明です。中国電力は上関町に原子力発電所の建設を計画していて、先月20日、予定地の海域に活断層がないかを調べるボーリング調査に必要な許可を県に申請していました。これに対し、山口県は『申請に問題はない』として、11日付けで条例に基づき中国電力に許可を出しました。中国電力は来月以降、およそ3カ月にわたり沖合およそ200メートルで調査を行い、海底の地層の分析などを進めたいとしています。許可が出されたのはこれで3度目になりますが、過去2度の調査では計画に反対する地元住民や市民団体の抗議活動が相次ぎ、中国電力はいずれも中断しています。市民団体は中国電力が調査を行う場合、今回も海上で監視活動を行う考えをすでに示していて、調査が予定通り実施されるかは不透明です。」
 私は、県が、昨日、中国電力に海上ボーリング調査の許可を出したことに抗議したいと思います。
 本ブログで紹介した通り、私は、この間、2回の市民団体の県へのこの問題での申し入れに参加しました。
 まず、6月8日、原発に反対する上関町民の会など5団体による知事への申し入れです。
 この交渉で、私は、「過去の申請において、中国電力は、二度とも占用期間内に調査を完了させることができなかった。今回の申請書に対し、占用期間の妥当性を審査すべきだ。」と質しました。深地県河川課水政班長は「占用期間の妥当性については審査している。」と答えました。中国電力は、過去2回同様、今回の占用期間を3カ月としていることが考えられます。過去2回3カ月の占用期間で調査を終えることが出来なかったことを県が審査すれば、今回も3カ月で調査を完了させることは困難な状況です。県の条例に係る「一般海域占用許可基準」の「占用許可基本方針」には「一般海域は公共用物として天然の状態において一般公衆の自由な使用に供されるべきものであるので、原則としてその占用は認めるべきではない」とあります。県は、中国電力が3カ月で調査を終えることが困難な状況を認識できる状況にあるにも関わらず、今回、許可を出したことは、自ら定めた基本方針に照らしても重大な問題があると言わなければなりません。
 私は、6月9日、上関原発用地埋立禁止住民訴訟の会の知事への申し入れに参加しました。
 この中で、先ほど取り上げた県の条例に係る「一般海域占用許可基準」の「占用許可基本方針」に「社会経済上必要やむを得ない場合」とあります。
 私は、「今回の海上ボーリング調査は、社会経済上必要やむを得ない場合と判断したのか。」と質しました。県河川課は「この点での審査は行っていない。」と答えました。
 自ら定めた基準にある基本方針の事項を審査せず、県が今回許可したことは重大です。
 NHKの報道にあるように、中国電力が今回調査を行う目的は「予定地に活断層がないかを調べる」ためです。なぜ、活断層がないかどうか調べるのかの理由について、中国電力は、「原子炉設置許可申請」を行うためと説明しています。
 私は、一昨年のこの時期に、住民団体の皆さんと、立憲野党の県議の皆さんと一緒に、原子力規制庁の職員と懇談しました。
 その際に、原子力規制庁の職員は、「原発の新設のための『原子炉設置許可基準』は策定していない。」と答えました。
 つまり、県のこの問題での基本方針にある通り、中国電力が行うおうとする海上ボーリング調査は「社会経済的必要やむを得ない場合」とは言い難いものであることを指摘したいと思います。
 この間、申し入れに参加し、県河川課の方々と話しをしてきて感じるのは、中国電力の一般海域の占用申請を「上関原発計画」と分けて事務処理しようとしている姿勢です。
 今回の中国電力の一般海域の占用申請は、あくまでも上関原発を建設するための一環のものであることは間違いありません。
 ならば、中国電力の今回の申請に、「社会経済上必要やむを得ない場合」に当てはまらないことは明確だと思います。
 山口県は、今回、中国電力に行った一般海域の占用許可を撤回すべきです。
 山口県が昨日、上関原発建設計画のための海上ボーリング調査の申請を許可しました。皆さんのこの問題に対するご意見をお聞かせ下さい。

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