議員日誌

映画「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」

 今日は、議会最終日。討論で登壇する予定です。

 討論を書き上げ、昨日は、実家の畦の草刈りをする予定でしたが、雨のため中止しました。

 急遽、市内の映画館へ。若草物語を原作としたグレタ・ガーヴィグ監督の映画「ストーリー・オブ。マイライフ わたしの若草物語」を観ました。

 四姉妹の次女のジョーが、「若草物語」を出版するまでというストーリーの映画でした。

 映画のパンフレットでインタビュアーが次のようにグレタ監督に質問し、グレタ監督が次のように答えています。

 質問「『若草物語』は多くの意味でも単なる少女小説ではなく、非常に社会的な小説だったんですよね」

 監督「そのへんに感動したの。初めて出版されたときには2週間で完売したそうなの。50カ国語以上に翻訳され、初版以来、絶版になったことが一度もないという。また世界中の少女たちが、まったく異なる形で反応している点も興味深い。たとえば1860年代のマサチューセッツの少女に現代の日本の少女が共感できるというのも驚きなの。小説の奥深いところに、国境を越えたアピールがあるの」

 映画のパンフレットで実践女子大学の佐々木真理教授は、「若草物語」当時の女性をとりまく情勢を次のように書いています。

 「原作の『若草物語』が出版されたのは1866年、南北戦争が終結してから数年後のことだ。アメリカ社会を大きく揺り動かしたこの戦争は、女性たちの生き方をも大きく変えることになった。(中略)『若草物語』は、確実に時代の変わり目を、新たな職業へと向かいつつある女性の力をと捉えていた。屋根裏部屋で夜一人執筆にふけるジョーの姿からわかるように、女性が一人で知的な活動に集中できる場所を持つのは、この時代には難しいことだった。(中略)そんな時代であってロウソクの灯りのもとで指先をインクで黒く染めながら創作に打ち込むジョーの姿に、多くの女性たちが後押しされてきた。」

 映画のパンフレットで女優の美村里江さんは、この映画について次のように書いています。

 「南北戦争時代の女性達が、現代の私達と同じことで心を曇らせていたことに驚いてしまった。時代性が、男性の理解が、ということではなく、私達の心にあるものは150年前も今も、米国でも、日本でも、同じではないかという一種の大きな戦列なショックである。自分の心のままに行きたい。周囲の願いも叶えたい。いつまでも自由でいたい。少女時代を失いたくない。ちゃんとした大人になりたい。愛したい。愛されたい。家庭に入っても窮屈に暮らしたくない。裕福な生活がしたい。貧しくても自分だけの家族がほしい。自立してずっと一人で生きたい。なぜかどうしようもなく一人が寂しい・・・。」

 先日のブログに内閣府の「平成29年度防災分野における男女共同参画の施策の推進検討・調査業務報告書」を取り上げました。

 この報告書は、住民の多様性に触れた後で、この多様性について次のように書いています。

 「多様性には、年齢・家族構成・健康状態・経済的状況・社会経済活動等様々な観点があるが、そのなかでも『ジェンダー』は、男女ともに、LGBTを含め、全ての住民が関係することであり、どちらの性であっても、どちらかが圧倒的に課題が少ないということはなく、また、年齢等他の要因と競合することによって多様性が複雑さを増す。このため、住民に多様性があることを議論するための突破口として『ジェンダー』を中心に考えることは重要な視点である」

 「若草物語」は「ジェンダー」が語られた幕開けとなった作品ではないでしょうか。

 150年たった今、「ジェンダー」の違いによる様々な問題は解決の途上ではあります。

 しかし、内閣府の報告書に、「ジェンダー」が語られる時代になりました。

 今世紀こそ「ジェンダー平等」が実現できるかが問われる時代となりました。

 「ジェンダー」を題材にした幕開け作品「若草物語」から現代の私たちの問題が見えてきます。

 一人一人が自分らしく自由に生きるにはどうすべきかを映画「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」は教えてくれました。

 久しぶりに大きなスクリーンで観る映画は最高でした。

 グレタ監督の他の作品も観てみたいと思いました。

 この映画で泣き笑いして、明日への英気を養いました。劇場に足を運びたいと思います。

 そして、原作の「若草物語」を読み直したいと思いました。

 皆さんが最近、御覧になった映画や本の感想をお聞かせ下さい。

 

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。