今朝の、しんぶん赤旗日刊紙「主張」は、「石炭火力発電」を取り上げ次のように書いています。
「安倍晋三政権が4月末に公表した温室効果ガス削減についての長期戦略案に、環境団体から批判が相次いでいます。長期戦略は、地球温暖化対策の世界的枠組みであるパリ協定にもとづき国連に提出が義務付けられたおのですが、政府の戦略案が、求められている水準からの立ち遅れがあまりにもはなはだしいためです。原発の推進を掲げるとともに、CO2排出量の多い石炭火力発電を温存する姿勢を打ち出したことは『古びたビジョンの塗り直し』と厳しい指摘があがっています。長期戦略は根本からあらためるきです。」
「政府が先月まとめ、今月16日まで意見公募(パブリックコメント)を行っている長期戦略案は『脱炭素化』を掲げたものの、ドイツなどでは明記している石炭火力発電の『全廃』の方向は示さず、『石炭火力等への依存度を可能な限り引き下げる』と温存に固執しました。日本国内の石炭火力発電は住民の反対運動などによって計画を中止したケースがありますが、新増設計画は25基もあります。長期戦略案はこの動きにお墨付きを与え、CO2の体力排出を続けることにしかなりません。欧州各国や米国の州では石炭火力の段階的廃止(フェーズアウト)が大きな流れです。石炭火力への投資から手を引く金融機関も相次いでいます。世界の潮流に逆らう長期戦略案の道理のなさは浮き彫りです。」
「安倍政権は6月に大阪で開かれるG20サミット(20カ国・地域首脳会議)までに長期戦略を決定する予定です。石炭火力発電からの撤退に背を向け、原発推進をやえない長期戦略では、世界と未来への責任は果たせません。温暖化対策を促進するための真剣な対応こそ求められます。」
尊敬する先輩からナオミ・クライン著「これがすべてを変える 資本主義VS気候変動」を紹介され、この連休に読んでいます。
本書でナオミ・クラインは、「サイエンティフィック・アメリカン」誌の編集主任ゲーリー・スティックの文章を引用しています。
「気候変動に対して抜本的な対策を打ちだそうというのであれば、私たちは社会的側面における根源的な解決法こそ見出さなければならない。」
その上で、ナオミ・クラインは、「こうした社会的側面-そして政治的・経済的・文化的側面-における根源的な変革をテーマにしている。私の関心は、化石燃料による『ブラウン』エネルギーから『グリーン』エネルギーへ-といった転換のメカニズムより、何がそうした転換を妨げてきたかにある。長い間、問題の解決法は理解されていたにもかかわらず、必要とされる規模には到底届かないレベルでとどまっていたのはなぜか、どんな力や思想上の障害がそれを阻んできたのか、ということだ。」と書いています。
ナオミ・クラインは、「人類社会が進むべき思想的方向を転換し、誰が力を握るかの均衡を変えていくという大きな闘いに挑んでこなかったために、気候変動に対する強固な取組は政治的に不可能だ-とりわけ経済危機の時代にあっては(今はそれが常態と化しているが)―という文脈が、徐々に形成されてしまったからである。」とも書き、「大きく考え、深く行動し、思想の軸を、惑星地球の健康にとって最大の敵となった抑圧的な市場原理主義から遠く離れたところへ動かす、ということだ。」と述べています。
安倍政権は、人類社会が進むべき方向を阻害したままの方針しか提示できていません。
今こそ、大きく考え、深く行動し、惑星地球の健康にとって、賢明な選択を行える政治に切り替えていくときです。
この連休、ナオミ・クラインの著作を読みながら、日本で石炭火力発電所がなぜ維持され、宇部市に新設されようとしているのかの背景を学び、転換への展望を学びたいと思います。
石炭火力発電に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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