議員日誌

低炭素社会のデザイン

 西岡秀三さんの「低酸素社会のデザイン-ゼロ排出は可能か」を読んでいます。

 西岡さんは、「いま起こっているのは、いわば安定な気候の価値の高騰である。」と書いています。

 その価値について西岡さんは、20%に達するとして次のように書いています。

 「被害対策という本来しなくてもいいことに毎年かけ続ける20%の費用が助かり、その分子どもと遊んだり趣味を楽しんだで豊かな生活ができる。それが安定な気候の価値なのである。」

 西岡さんは、国際的に提起されている工業化前の二酸化炭素の濃度に戻すために次のように書いています。

 「驚くことなかれ、長期的にはほとんど排出をゼロにしなければならないのである。すなわち産業革命前の状態に戻すということである。産業革命以前1万年ほどは気候が安定していたのだから、そのあと工業化で待機中にため込んだ二酸化端とを全部森林やや海洋に吸収してもらい、後はいっさい二酸化炭素を排出しないということである。」

 2015年のCOP21は、工業化前と比べて気候上昇を今世紀末に2度を大きく下回るようにし、1.5度に抑える努力をするという新たな協定(パリ協定)を採択しました。

 パリ協定は、今世紀後半にガス排出量を実質ゼロにすることを決めたのです。

 この本は、2011年に書かれた本ですが、目指す方向は、パリ協定の到達に沿ったものです。

 西岡さんは、その上で、「望ましい将来像を明確にして、その望ましい将来にいたるための戦略を描く」バックキャスト型意思決定が低酸素社会を実現していく上で重要だとして次のように書いています。

 「低酸素化は、これまでのエネルギー高依存型技術社会を否定するという意味で、産業革命のリセットともいうべき大変革である。気候変動への対処は、エネルギー、土地利用、都市経営、ライフスタイルなど、社会のあらゆる分野に複雑に関連し、そのすべてを動かさないと問題は解決できない。」

 パリ協定での目標を達成しようと思えば、バックキャスト型意思決定を行い、「産業革命のリセットともいうべき大変革」を行う必要があるのですね。

 本ブログで、再々取り上げていますが、日本共産党社会科学研究所所長の不破哲三さんが、「マルクスと友達になろう」の中で、地球温暖化問題を取り上げて次のように結んでいます。

 不破さんは工業化以降の二酸化炭素の放出量の爆発的な伸びなどの数字を上げたうえでこう書いています。

 「これら数字は、資本主義というものが、自分の経済活動を管理できない体制だということを、事実をもって示すものです。まさに、資本主義は、自分が21世紀に生き残る資格があるかどうかを試される最大の危機に直面しているのだ、と言わなければならないでしょう。」

 パリ協定を達成することは人類の死活問題です。

 目標達成には、大変革が必要です。

 その変革の一つが、宇部市に石炭火力発電所を作らないことではないでしょうか。

 宇部市は公害を乗り越えて発展した環境先進都市です。

 環境先進都市を標榜する宇部市として低炭素社会をリードする都市になるべきです。

 持続可能な地球のために、宇部市は積極的な役割は発揮する時です。

 低酸素社会の実現に向けて、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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