年始の挨拶で100軒以上のお宅を訪ねました。
その中で、長年茶道の先生をしているAさんとお話しました。
映画が好きな私は、映画化された「日日是好日」の話をすると、大いに対話になりました。
「主演の黒木華さんが私にダブルのよ」とAさん。
Aさんは、20歳の頃、お茶を始めた頃のことを映画を観て思い出したそうです。
この映画は樹木希林さんの遺作の一つとなった作品です。
「映画の中の先生役の樹木さんは堂々としていた」とAさん。
「私も生徒さんにもう少し堂々と教えたい」とAさん。
お茶の世界は、門外漢の私ですが、Aさんと話しをしていてお茶の世界を知りたくなりました。
そして、今、原作の森下典子さんの「日日是好日」を読んでいます。
「二十歳のとき、私は『お茶』をただの行儀作法としか思っていなかった。鋳型にはめられるようで、いい気持ちがしなかった。それに、やってもやっても、何をしているのかわからない。一つのことがなかなか覚えられないのに、その日その時の気候や天気に合わせて、道具の組み合わせや手順が変化する。季節が変われば、部屋全体の大胆な模様替えが起こる。そういう茶室のサイクルを、何年も何年も、モヤモヤしながら体で繰り返した。すると、ある日突然、雨が生ぬるく匂い始めた。『あ、夕立が来る』と、思った。庭木を叩く雨粒が、今までとはちがう音に聞こえた。その直後、あたりにムウッと土の匂いがたちこめた。それまでは、雨は『空から落ちてくる水』でしかなく、匂いなどなかった。土の匂いもしなかった。私は、ガラス瓶の中から外を眺めているようなものだった。そのガラスの覆いが取れて、季節が『匂い』や『音』という語感にうったえ始めた。自分は、生まれた水辺の匂いを嗅ぎ分ける一匹のカエルのような季節の生きものなのだということを思い出した。」
すばらしい随筆です。これが茶道の醍醐味ならば、是非、味わいたいと思わせてくれる文章です。
宇部市内の映画館でも映画「日日是好日」が今日から上映されます。
私も投票日まで3カ月余と迫り、映画館に行けるかどうか分かりません。
映画を観られた方は、感想をお聞かせ下さい。
茶道の経験者の皆さん、茶道の魅力をお教え下さい。
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