議員日誌

「隠れ共産党宣言」読書ノート①

 岡山大学大学院教授の小松泰信さんの「隠れ共産党宣言」を読み始めました。

 表題の理由は、本ブログでも取り上げましたが、小松さんが2016年12月28日の「農業協同組合新聞」に「『隠れ共産党』宣言」なる文章を書かれたことによります。

 400年以上続く農家の倅として生まれ、今も3反の米作を続けている私にとって、一言一句納得がいく言葉ばかりでした。

 冒頭の「農」とは何かのくだりに早くも痺れました。

 「人間も自然界の中の一部であり、人間があまりにも不遜になって謙虚さを忘れればかならずしっぺ返しがきます。人間の勝手を戒め、自然に逆らうのではなく、なじみながら生きて社会をつくっていくという視点が大事ではないでしょうか。人間が謙虚でありつつける大切さを、自然が身をもって教えてくれているという思いがあります。」

 農村を「基層領域」として捉える見方にも感銘しました。

 「『基層領域』は、そこに暮らす人々が第一次産業に従事ることで、地域も社会も保たれる。農地があり、川、水、里山などを保全しながら、人間関係や神事やお祭りなどをふくめて伝統文化も育むし、消防団活動など防災にも努める、というものです。」

 農村を「基層領域」と捉えた上で、グローバル社会と見る視点に納得しました。

 「『基層領域』とはまったく無縁なところに位置するのがグローバル企業です。グローバル企業は、農業が農村などの『基層領域』には何の配慮もせずに、もうけ第一で世界を『浮遊』して、餌場をさがすハゲタカのごとく、もうけるだけもうけて、あとはどうなろうとかまわない、あとは野となれ山となれです。」

 「着土」という言葉は、私の心に刺さりました。

 「世界を『浮遊』するものに対置するものが、地域に密着する『着土』という概念です。この『着土』とは、京都大学名誉教授の祖田修氏が二〇世紀末につくった言葉ですが、自然の流れではなく、自らの強い意志と覚悟で地域に腰を据えて暮らすという意味がこめられています。」

 今こそ、「基層領域」としての農業が求められるし、「着土」する農村が求められています。

 グローバル社会の向こう側には、輝く農業・農村が待っていると思います。

 農業・農村に誇りと確信を抱かせる良著が「隠れ共産党宣言」です。

 引き続き、小松さんの著書から学んでいこうと思います。

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