今朝の毎日新聞の山口版の「長州飛耳長目」に「陸上イージス 阿武町長『反対』」の記事が掲載されていました。
松田記者は冒頭こう書いています。
「陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』を萩市の陸上自衛隊むつみ演習場に配備する計画を巡り、阿武町の花田憲彦町長が表明した『反対』が波紋を広げている。半島情勢にどどまらない国防の観点から配備を進めたい防衛省は、慎重にm町側の出方を探っているが、住民の不信感を背景にした町の決断は重く、地元調整は難しさを増している。」
松田記者は、最後にこう書いています。
「同省(防衛省)は、町が今以上態度を軟化させるのを避けたいのが本音だ。町は2016年、演習場への進入路として町有地約1300平方メートルを貸す契約を中国四国防衛局(広島市)と結んでいるが、花田町長は議会後の会見で、配備に反対する具体策として『使用目的が変わるので破棄することもある』と示唆した。」
この問題は、沖縄県知事選挙の争点とも通じる問題です。
防衛省が国策としてミサイル基地配備を強行すれば、首長の権限を行使することがあることを花田町長は語っているのだと思います。
その上で、二つの事を指摘したいと思います。
一つは、萩市議会全員協議会で、宮内議員に対して答えた五味戦略企画課長の次の答弁です。
「適地かどうか判断する上で住民の皆さんの理解は重要な要素となる」
花田町長の「配備反対」の表明は、防衛省がこれから行う「適地」の判断の重要な要素になることは明らかです。
二つ目は、朝鮮半島情勢です。
19日、北朝鮮の首都平壌で、金国務委員長と韓国の文大統領が、朝鮮半島の非核化に向けたミサイル実験場の永久追放などを盛り込んだ「9月平壌宣言」に署名しました。
朝鮮半島の和平の進展の中で、防衛省の陸上イージス配備の必要性は急速に弱まっていることは明らかです。
防衛省は、陸上イージスの必要性について、対中国を念頭に置いていることを示唆しているようですが、本気なのでしょうか。
21日付の山口新聞に、花田町長の記者会見の内容がこう書かれてあります。
「イージス・アショアの(国予算)概算要求の段階で反対を表明することに意味がある。」
私は、この言葉は重要だと思います。
防衛省は、7月30日、イージス・アショアのレーダーをアメリカのロッキード・マーチン社のLMSSRにすることを決めました。8月末の防衛省の概算要求には、陸上イージスの取得費2352億円が計上されました。
陸上イージスは、FMS(対外有償軍事援助)での購入が予定されており、この契約は前払いが前提です。
防衛省の概算要求が満額認められ来年度予算に陸上イージス取得費が計上されたならば、2352億円が来年度、ロッキード・マーチン社に支払われることになりかねません。
防衛省は、配備先の「適地調査」の段階で、陸上イージスの取得費を来年度アメリカの軍事企業に支払いを行おうとしているのです。
料金を払った以上、万が一の場合、返品は出来ない、巨額の装備品は防衛省の倉庫の中という事態が起こり得る状態です。
花田町長の言葉は、この最悪の事態をくい止める賢明なものだと私は受け止めました。
以上指摘した点から、防衛省は、花田町長の「反対」発言を受けて、陸上イージスの配備作業を中止すべきだと私は考えます。
陸上イージスに対し、阿武町長が「反対」を表明しました。
皆さんは、この問題をどのようにお考えでしょうか。ご意見をお寄せ下さい。
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