議員日誌

チェルノブイリの祈り

 スベトラーナ・アレクシエービッチの「チェルノブイリの祈り」を読んでいます。

 岩波現代文庫の解説で、フォトジャーナリストの広河隆一さんは、「本書は私にとって、大げさに聞こえるかもしれないが、人生の中で出会ったもっとも大切な書物の一つである。」「アレクレーシビッチのこの本は、ドキュメンタリー文学の最高の傑作ともいえる力で驚くべき世界を伝えている。」と書いています。

 アレクシエービッチは、過去の彼女の作品と本作の違いについて次のように書いています。

 「以前何冊か本を書きましたが、私は他人の苦悩をじっくりながめるだけでした。今度は私自身もみなと同じく目撃者です。私のくらしは事故の一部なのです。私はここに住んでいる。チェルノブイリの大地、ほとんど世界に知られることのなかった小国ベラルーシに。ここはもう大地じゃない。チェルノブイリの実験室だといまいわれているこの国に。ベラルーシ人はチェルノブイリ人になった。チェルノブイリは私たちの住みかになり、私たち国民の運命になったのです。」

 消防夫の妻リュドミーラの証言は衝撃です。

 夫の病室で看護士さんとのやり取りです。

 「夫に会いました。全身がむくみ、腫れあがっていた。目はほとんどなかった。『牛乳が必要よ。たくさんね。全員が3リットルずつ飲めるくらいはたくさんいるは』と彼女。『でも、夫は牛乳を飲まないわよ』『いま飲むわ』。この病院のほとんどの医師、看護婦、特に介護員はこのあと病気になり亡くなります。でも、このときはだれもそんなことは知りませんでした。

 彼女自身も病気に苦しみながら産んだ赤ちゃんは死産でした。

 アレクシエービッチはこうも書いています。

 「チェルノブイリのことは忘れたがっています。最初はチェルノブイリに勝つことができると思われていた。ところが、それが無意味な試みだとわかると、くちを閉ざしてしまったのです。自分たちが知らないもの、人類が知らないものから身を守るのはむつかし。チェルノブイリは、私たちをひとつの時代から別の時代へと移してしまったのです。」

 人類は、チェルノブイリを忘れ、フクシマの事故を引き起こしました。

 人類は、再びフクシマを忘れようとしてています。

 人類は、知らないものから身を守るのはむつかし。

 しかし、チェルノブイリで起った現実をアレクシエービッチは赤裸々に書き残しています。

 アレクシエービッチの文章からチェルノブイリを学び、フクシマを学び、忘れない努力をすることが必要だと感じました。

 引き続き、アレクシエービッチさんから学びたいと思います。

 二度と原発事故を起こさないために、私は、原発再稼働と上関原発の建設に反対します。

 知事選では、上関原発反対の「くまのゆずる」さんを支援します。

 皆さんは原発問題をどうお考えですか。

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