昨日、中国新聞は、「南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を破棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が2月行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非開示とするとの方針を幹部か伝えられ、了承していたことが分かった。」「稲田氏はその後の国会で、一連の経過の報告を受けていないとし『改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい』と答弁。国会でも虚偽の説明をしたことになり、防衛相辞任を求める声が強まり、安倍晋三首相も任命責任を問われるのは確実だ。」などと報じました。
私は、6月25日、うべ憲法共同センターの学習会で、昨年9月30日に、防衛省に情報公開請求したジャーナリストの布施祐仁さんのお話しをお聞きしました。
布施さんの情報公開請求に対して、防衛省は、12月2日、陸自は日報の文書もデータも既に廃棄したとして不開示を決定しました。ところが、その後、陸海空自衛隊をまとめる統合幕僚監部内で日報のデータを見つけたとして、今年2月7日に一部が講評されました。
一方で、3月に入りNHKなどの報道で、統幕だけでなく、陸自でもデータを保管していたことが1月中旬に判明し、既に廃棄していたという従来の説明と矛盾するため、2月にデータを消去していたことが発覚しました。これを受け、稲田氏は事実解明のため、元検事長を責任者とする特別防衛監察の実施を表明しました。しかし、それから4カ月がたつ今も監察結果は出されていません。
布施さんは、6月25日の宇部市の学習会で、昨年7月16日の最初の情報公開請求の時点で日報は隠ぺいされていた事実を報告しました。今年5月29日のFNNの報道で、「中央即応集団の担当者が『日報』のデータが残っていることを確認して、上司に報告したところ、上司は『バカ正直に出せばいいってもんじゃない』などと叱責し、『日報』は開示しないよう命じたという。これを受け、担当者は、陸上幕僚監部に『日報は、個人保管の資料で、開示すべき行政文書に該当しない』と説明し、陸上幕僚監部も了承されたため、2016年9月中旬、『日報』以外の文書だけが請求者に公開された」と報じました。
日報データを陸自が保管していた問題は、2月14日の衆議院予算委員会で、日本共産党の笠井亮政策委員長が追及していました。陸自内の日報データの存在について対応を協議した緊急幹部会が開かれたのは翌15日で、公開する必要がないとの結論に稲田氏も異議を唱えず、了承したと報じられています。その方針を受け陸自内のデータを消した可能性もあります。
稲田氏は、日報について陸自内では「用済み後廃棄」となっていると繰り返し国会答弁していました。加えて、統幕で日報のデータが見つかったのは稲田氏が再検索をジシしたからだと、自らの『指導性』を強調していました。
しかし、陸自のデータ保管を知っていた上、その事実を隠すことを了承していたとなれば、指導性どころか、防衛省・自衛隊の組織的な隠蔽に加担し、虚偽の答弁を意図的にしていたことになります。
稲田氏は、東京都議選で自民党候補の応援で「防衛省・自衛隊としてもお願いしたい」と呼びかけ、野党から罷免を求められています。それに加えて、今回の問題です。安倍首相は内閣改造を待たずに、稲田大臣を即刻辞任させるべきです。
稲田氏が、日報隠蔽を了承していたとの報道がなされました。
この問題を皆さんはどうお考えですか。
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