昨日、念仏者9条の会・山口が主催するドキュメンタリー映画「9条を抱きしめて」上映会に参加しました。
この作品は、元海兵隊員アレン・ネルソンさんが戦争と平和を語るドキュメンタリー映画です。
アレン・ネルソンさんは、1947年にアメリカ・ニューヨーク集のブルックリンで生まれました。
貧困生活から逃れようと、18歳で海兵隊に入隊。沖縄での訓練を経て、1966年、19歳でベトナムの最前線に派遣されました。
過酷な戦場を生き延びたネルソンさんは、戦争の恐ろしさを、そして憲法9条の大切さを語り続けました。
ネルソンさんは、歴史に残るヒーローになることを目指して戦場に行きましたが、現実は、全く違うものでした。
上官は「兵士の仕事は、ベトナム兵を殺すことだ」と断言します。
ネルソンさんは、東洋人は「グークス」と呼び、人間とは思わないような教育を繰り返され、ベトナムの兵士や一般の市民を殺し続けたました。
しかし、ネルソンさんに戦争に対する考え方を180度変えさせる出来事が起こりました。
ネルソンさんは、ベトナムのある壕の中で、出産している少女に出会います。ネルソンさんは、少女の出産を手助けした経験から、ベトナム人もアメリカ人も同じ人間であることに気付かされたと言います。
ベトナムから帰還したネルソンさん。PTSDに悩まされ、23歳で引きこもり生活となります。
教師になった同級生がネルソンさんに「子どもたちにベトナム戦争について語ってほしい」と依頼します。
勇気を振り絞ってネルソンさんは通り一遍のベトナムを子どもたちに語ります。
子どもの一人が「ネルソンさんは人を殺しましたか」と尋ねます。
ネルソンさんは、その時に初めて戦争の現実を子どもたちの語ります。
子どもたちから叱責されると思っていたネルソンでしたが、子どもたちは、ネルソンさんの苦悩を理解し、涙を流します。
ネルソンさんは、「たとえ誰が作ったとしても地球上のすべての国に9条があってほしい。地球に住むすべての人間にとって9条は大切なものなのです」「戦争は決して平和をもたらさない。すべての戦争が悪いことなのです。人を殺すということは自分自身の精神や魂の最も大切な部分をなくすことです」「日本国憲法第9条はいかなる核兵器よりも強力であり、いかなる国のいかなる軍隊よりも強力なのです」と語ります。
ネルソンさんは、「多くの政治家が憲法から第9条を消し去ろうと躍起になっています。断じてそれを許してはなりません」と日本人に語り続けました。
ネルソンさんは、2009年に、枯葉剤によるがんで亡くなられました。
ネルソンさんの闘病のための基金は今はネルソン基金となって、恵まれない国の子どもたちのために役立っています。
ネルソンさんは、石川県加賀市山田町の真宗大谷派寺院「光闡坊」で眠っておられます。
ネルソンさんにはもうお会いすることは出来ませんが、映像によってネルソンさんの生の言葉を聞くことができました。
私は、昨日、ネルソンさんという目指すべき人物と出会うことが出来ました。
この機会を与えていただいた念仏者9条の会・山口の皆さんに感謝いたします。
「憲法から9条を消し去ることは断じて許さない」というネルソンさんさんの遺志を、念仏者9条の会の一員として、守り通していきたいと思います。
「憲法9条は核兵器より強い」というネルソンさんの訴えを皆さんはどう受け止められますか。ご意見をお聞かせ下さい。
来年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の原作である高殿円著「剣と紅『戦国の女領主・井伊直虎』」を読んでいます。
文庫の裏表紙を引用しましょう。
「『紅はいらぬ、剣を持て』井伊家22代目当主直盛の娘・直虎は、言うが早いか、強引に結婚を迫る相手の腰から刀を抜き取り己の髪を切り落とした。のちの徳川四天王、『井伊の赤備え』で武勲を誇った井伊直政の養母にして、遠州錯乱の時代に一命を賭して井伊家を守り抜いた女傑の、比類なき激動の人生。」
文庫の解説で、末國善己さんは、こう書いています。
「現代社会は、法律的には男女が同権になったとはいえ、就職では一人暮らしは不利との噂が根強く、結婚では改姓の手続きをする必要に迫られ、出産では長期の休養と復職の苦労があるなど、人生の転機になると女性だけが負担を強いられる暗黙のルールは数多く残されている。男性がイメージする-というよりも押し付けている。『結婚、出産が女の幸せ』に背を向け、故郷の独立と領民の幸福を守るという職責に生き甲斐を見出す数奇な人生を歩んだ香(のちの直虎)は、いまだ男性優位の社会で懸命に生きている現代女性へのエールとなっているのである。それだけに、香が、井伊家の取り潰しを画策する今川家、小野家としたたかに渡り合う終盤は、痛快に思えるのではないだろうか。」
直虎を演じるのは、柴咲コウさんです。
原作で私が読んでいるところはまだ、香が幼少の頃ですが、目が大きく超能力がある少女として描かれています。
香とコウも同じですし、何よりも柴咲さんの大きな目と原作の香のイメージがぴったりです。
戦国時代に女性として城主を務めた井伊直虎の物語。来年の大河ドラマは、しっかり観ていきたいと思います。
現代の女性にも男性にも大いにエールを送る作品になることを願っています。
年末の内に、高殿円さんの原作をしっかり読んでおきたいと思います。
来年の大河ドラマ「おんな城主直虎」に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。