12月15日、ロシア・プーチン大統領が来日し、日露首脳会談が予定されています。
首脳会議では、領土問題が大きな焦点になるとされています。
日本共産党の志位和夫委員長は、10月18日、「日露領土交渉の行き詰まりをどう打開するか-『日ソ共同宣言』60周年にあたって-」とする日露領土問題に関する提言を発表しました。全文は、日本共産党のHPに掲載されていますので参照してください。
この提言の中心点は次の3点です。
①歯舞、色丹「2島先行返還」はありうることだが、その場合は、中間的な条約と結び付けて処理することとし、平和条約は、領土問題が最終的な解決にいたった段階で締結すべきである。
②この60年間にわたって、日露領土問題が前進してこなかったのは、「国後、択捉は千島列島にあらず。だから返還せよ」という日本政府の主張が、歴史的事実にてらしても、国際法的にも、通用しない主張だったこともある。このことを正面から認め、領土交渉の方針の抜本的な再検証を行うことが必要である。
③日露領土問題の根本は、「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則を踏みにじって、「ヤルタ協定」で「千島列島の引き渡し」を決め、それに拘束されてサンフランシスコ平和条約で「千島列島の放棄」を宣言したことにある。この戦後処理の不公正にいまこそ正面からメスを入れるべきである。
前衛1981年4月号で不破哲三氏は、「サ(サンフランシスコ平和)条約の千島放棄条項のわく内では、国民的要求である千島問題が、一歩も解決できないことは明白です。自民党政府は、「択捉、国後は千島にあらず」という論法で、サ条約の枠内での領土問題交渉をやろうとしていますが、この論法は、二重、三重の意味で、領土問題解決の障害となるものということが、指摘されなければないません。」として3点を指摘しています。
①第一に、これは、「千島列島」は放棄するという立場に立っているのですから、政府自身が「千島列島」と認めている得撫以北の北千島は、最初から領土要求の対象としないという、あからさまな北千島放棄論です。
②第二に、択捉、国後の南千島についても、これが「千島列島」に属さないというのは、歴史的にも、サンフランシスコ会議の経過からいっても、きわめて無理な、国際的に通用しえない議論で、こうした論法で対ソ交渉を前進させることができないことは、二十余年にわたる日ソ交渉史が示しています。
③第三に、本来、北海道の一部であって、ヤルタ協定やサンフランシスコ条約の千島放棄条項の対象になっていない歯舞、色丹についても、自民党政府が、南千島と一体に扱う「四島一括」論をわくとして固執している結果、その性格にふさわしい独自の返還交渉の可能性をも日本側がみずからとざす結果となっています。
不破氏がこの指摘をしてから35年後、改めて志位委員長が日露交渉にあたって提言を明らかにしました。
日露の領土交渉の歴史と、国際法に照らして、日露領土交渉の行き詰まりが打開されることを私も期待する一人です。
日露領土交渉に関して皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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