西本願寺の大谷光淳門主著「ありのままに、ひたむきに」を読みました。
大谷門主は、本書の「まえがき」で「人はいま、平和を求めながらも互いに争い、豊かさを求めて、かえって貧しさと不安を拡大しています。自分の心の不安だけではなく、社会の矛盾にも翻弄され、私たちはまるで不安の荒波を漂う小舟のようです。このような状況の中でも、振り回されることなく、生き抜くためにはどうすればいいのでしょうか。答えの一つが『日々の一瞬一瞬を、まずはありのままに受け止めて、そしてひたむきに精いっぱい生きていくこと』だと思います。」と本書の意図を書いておられます。
大谷門主は、本書で、原子力発電について、「日本では神社などで、木や水など自然を私たちと切り離してゴミ捨て場にするという考え方は、日本的ではないのです。そう考えると、私たちがいま処分できないものをかかえ込む原子力発電という手法は、やはり問題があるのではないかという思いがあります。」と述べておられます。
大谷門主は、本書で、戦争について「多くのいのちを奪い、生活を奪う戦争の悲惨さは常に忘れてはならないのです。同時に、この世界で『戦争を起こさせないため』の努力をおこたってはなりません。平和とは、さまざまな努力の積み重ねのうえに、はじめて到達できるものだからです。」と述べておられます。
大谷門主におかれては、今後とも、現実の社会で起こっている様々な問題に対して積極的な発言を行っていただきたいと思います。
大谷門主の「ありのままに、ひたむきに」を読まれた皆さん、感想をお聞かせ下さい。
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