五木寛之さんの原作を神山征二郎監督によって14年前に映画化された「大河の一滴」をDVDで観ました。
そして、改めて、五木寛之さんの「大河の一滴」を読んでいます。
原作は、エッセイ集なので、映画は五木さんの原作を原案にしたオリジナル作品です。
脚本は、新藤兼人監督が務めています。
雪子をめぐる近親の人々の死。
昌治と雪子がニコライの消息を尋ねるラストは見応えがありました。
昌治の雪子への深い愛が、この映画のテーマだったと思います。
日本映画の歴史に残る名作だと感じました。
原作は、17年前に発表されてベストセラーになった作品です。
再読中ですが、「『善キ者ハ逝ク』という短い言葉」などは胸に沁みます。
13歳の時に満州で終戦を迎えた五木さん。
弟さんと一緒に命からがら帰国した五木さん。
穏やかだった弟さんは40代半ばで癌で亡くなります。
「善キ者ハ逝ク」を実感したという五木さん。
私は、やはり、大学生の時の「犀川スキーバス転落事故」の事が脳裏から消えません。
本ブログにも度々書いてきましたが、大学の体育の授業で、長野県のスキー場に3台のバスで移動中に、3台目のバスが犀川に転落して20名を越える学友が亡くなりました。
私は、2台目で助かりました。
「善キ者ハ逝ク」の言葉は私の心に沁みわたります。
「この世にしぶとく生き残った者は、すべて『善キ者』たちの死によって生きながらえている罪深き者なのだ」
この部分だけでも「大河の一滴」を再読した価値がありました。
今は、「大河の一滴」を座右に置いて、五木さんの言葉を噛みしめています。
五木さんの「大河の一滴」も映画同様、歴史の残る名作だと思います。
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