本日、山口市内で、山口県社会保障推進協議会主催の国保問題の学習会が行われました。
講師は、大阪社会保障推進協議会の寺内順子事務局長でした。
「国保の都道府県単位化をめぐる情勢と滞納処分問題」と題して講演が行われました。
国保の都道府県単位化と滞納問題を語る寺内さん
まず、国民健康保険の都道府県単位化についてです。
今開かれている国会に、「医療保険制度改革法案」が提出される見込みで、その中に、国民健康保険を「平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体」とすることが含まれて提案される見込みだと話されました。
国保は都道府県単位化になると、保険料は、過去の医療費実績や所得を勘案して「この1年間にこれだけ集めなさい」という保険料総額を決め、それを100%納付する「分賦金方式」になる見通しです。
分賦金100%納付のために市町は、①一般会計法定外繰り入れで埋める②残しておいた基金で穴埋めをする。③新しくできる財政安定化基金から借りる④分賦金より多目の賦課総額にして保険料を計算することになると寺内さんは説明。
寺内さんは、「分賦金より多目の賦課総額にする可能性は高く、国保が都道府県単位化されると国保料は高くなる」と指摘しました。
次に滞納処分問題です。
大阪社会保障推進協議会の運動を通じての成果が話されました。
第一は、生活保護利用者には滞納処分停止が措置されているという点です。
大阪府は、このことに対し、国に照会しました。
大阪府の生活保護受給者が国保の滞納金がある場合、滞納処分停止の適用となるか国に照会し、国は、「滞納処分停止の要件」に該当すると回答しました。
このことを大阪府は、市町村に文書で通知しました。
更に、大阪市は学資保険の差押えを行わない対応を取っており、その事が大阪府に広がっています。
それらの結果、大阪府全体の国保滞納世帯に対する差押えの割合は、1.2%と低い水準になっています。
山口県は、5.2%と高い水準にあり、県内では、防府市が23.1%、萩市が14.4%、山口市が12.7%と高い水準になっています。
質疑応答の中で、山口市から、国保滞納のある飲食店主に対して、営業中に差押えを行う実態が複数あることが報告されました。
寺内さんは、京橋行動法律事務所の楠晋一弁護士の見解として、「原則として、夜間及び休日等の差押え」については、特に必要がある場合のほかは行わないとすると法律で定められていると述べました。
その上で、徴収法は、「飲食店などでは、滞納処分の執行のためにやむを得ない必要があると認めるに足りる相当の理由があるときは、日没後も捜索できる」と定めています。
徴収法が「定めるやむをえない必要あると認めるに足りる相当な理由があるとき」とは、「捜索の相手方が夜間だけ在宅又は営業し、あるいは、財産が夜間だけ蔵置されている等の事情が明らかである場合」などとしています。
以上の上で、楠弁護士はこれらケースについて「昼間に十分対応可能だったという意見も成り立つ」と述べています。
あるケースには、県の職員も差押えに参加しています。これら山口市のケースを更に調査し、必要な発言を行っていきたいと思います。
国民健康保険に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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