議員日誌

映画「終の信託」

 周防正行監督の映画「終の信託」を観ました。

 周防監督の作品は「Shall We ダンス?」「それでもボクはやってない」を観ました。

 朔立木さんの同名原作は今、読んでいる途中です。

 フィクションですが、病院のシーンや検察庁のシーンがとてもリアルでした。

 草刈民代演じる医師。役所広司演じる患者。大沢たかお演じる検事。どの演技も完成されたものでした。

 テーマは、人間の最期をどう守るかです。

 医師は患者の幸せを守るための医療行為を行いました。

 検察官は、その行為は命を守るための医療の範疇を越えたもので殺人だったとします。

 短兵急に結論の出せる問題ではありませんが、人間の尊厳にとって今後とも大いに議論していくべき問題だと感じました。

 患者の江木の子どもの頃の回想シーンには涙しました。

 満州のチチハルで、妹を亡くします。両親は凍土を掘って、妹を葬ります。

 私の祖母の妹の石川は、これと同じ体験をしました。

 石川は、終戦後の11月に女の子を出産します。食料もなく100日あまりでその子は亡くなります。

 石川は、歌人でもあり、次の歌を詠みました。

 おくり火に亡き夫偲び大陸に埋め来し吾子の齢数ふ

 石川は亡くなった我が子を葬ろうと土を掘りますが、凍土は硬く十分に掘り返すことができなかった事を今も悔やんでいるのです。

 江木の回想と石川から聞いた話がクロスして、涙が止まりませんでした。

 映画の中の患者、江木は、両親が妹の意識がなくるまで、子守歌を歌っていた姿を思い出します。

 江木は、草刈演じる折井医師に、自分の最期の時に、その子守歌を歌ってほしいと頼みます。

 自分らしく生き、自分らしく死ぬとはどうゆうことかを考えさせられた映画でした。

 一人でも多くの方に観て頂きたい映画でした。そして、皆さんの感想を聴かせていただきたいと思う映画でした。

 映画「終の信託」の感想をお聞かせ下さい。

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