「漂砂のうたう」で第144回直木賞を受賞した木内昇さんの「新撰組幕末の青嵐」を読んでいます。
この小説は、一遍づつ、土方や沖田や近藤や斎藤や永倉など、一人の人物が主人公となって綴られている連作です。
これでいて、新撰組が結成される前、武州で、薬売りをしていた土方や、天然理心流の道場試衛館の後を継ぐことになった近藤の若かりし姿が活写されています。
彼らは武士にあこがれて、京都護衛の任を受けてやがて新撰組を結成します。
後半は、鳥羽伏見の戦いでの彼らの姿までが描かれているようです。(まだ読んでいませんが。)
連作でいて、一人一人人物を丁寧に追いながら、歴史の激動が端的に描かれ、心騒ぐ作品となっています。
列伝というか、新撰組の面々の群像が生き生きと描かれています。
文庫の解説で松田哲夫さんが、「土方が作者の憑依し」とか「沖田も木内さんに憑依して」などの表現がありますが、新撰組の一人一人の呼吸が聞こえてくるような文章です。
木内さんは、この作品を発表した7年後に直木賞を受賞した訳ですが、その片鱗がこの作品にも確かにあります。
激動の春ですが、新撰組の彼らの生きざまを読みながら、議会と選挙を乗り切っていこうと思います。
忙中閑有。この作品は一遍づつが短いので忙しい中でも読みやすいです。
読書は心を豊かにしてくれますね。
木内ファンの皆さん、あなたは、どの作品が好きですか。
No comments yet.
コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。
メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。