議員日誌

いつでもどこでも誰でも医療を受けられる医療保険制度を

 昨日から、第10回地方自治研究全国集会出席のために、岡山市に滞在していました。

 昨日の全体会は、午前中まで宇部市で行事に参加していたため遅れてしまいました。報告は割愛します。

 本日は、分科会。私は、「いつでもどこでも誰でも医療が受けられる医療保険制度を」の分科会に参加しました。

 中心的な問題は、国民健康保険制度をどのように維持発展させるかでした。

 最初に、基調報告が行われました。その中で、二つの事を学びました。

 一つは、無保険者が増えていることです。厚生労働省の最新の資料でも国民皆保険の建前上、「無保険者はいない」ことになっていますが、「国民健康保険制度の加入が届出制となっていることから届出をしない場合、無保険になってしまう。」状況が広がっていることが報告されました。私も実際に、先日、リストラによって離職し、社会保険にも国民健康保険にも加入していない宇部市民の方から相談を受けました。

 二つ目は、国民健康保険の加入者の内、約4割が、無職の人で占められている状況があるということでした。所得なしという世帯が2割を越えている実態があります。

 そのような中、所得に占める国保料が1割を超える世帯が増え、滞納世帯が加入者の2割を超える状況となっており、収納率が8割台となっています。

 国民皆保険制度は21世紀に入り大きく崩れているのが実態です。

 このような状況を改善していくために、いくつかの提起がされました。

 一つは、窓口一部負担金減免制度を拡充していく各地での取り組みの重要性です。

 厚生労働省は、9月にも新たな通知を出しましたが、この通知を生かして山口県下でも窓口一部負担金減免制度を広げていくことが求められます。

 二つは、資格証明書発行世帯を無くすことです。政府は、「当該世帯に属する被保険者が医療を受ける必要が生じ、かつ医療機関に対する医療費の一時払いが困難である旨の申出を行った場合には特別の事情にあると考えられる。」「特別な事情の有無が確認できない場合は資格証明書の発行はできない」と我が党の小池参議院議員(当時)の質問主意書で答弁しています。これを生かす取り組みが強調されました。

 岡山市では、短期保険証の留め置きが3000件以上ある状況が残されていることが報告されました。また、川崎市では、短期保険証よりも交付要件が厳しい受療証なるものが発行されている実態が報告されました。山口県でも同様の実態がないのか調査したいと思いました。

 後半は、国保の広域化の状況が報告されました。

 特に、京都府では、国の動きに先駆けて府が国保を広域化しようと計画を立案していることが報告されました。

 京都府からの報告の中で、都道府県への国保一元化で、懸念されることとして3点指摘されました。

 ①厚生労働省は、一元化して統一保険料を設定するには一般会計からの繰入の解消が必要との認識が示されており、一元化すればこの負担が被保険者を直撃するおそれがあります。

 ②一元化により、住民と遠くなることで、保険料徴収や国保証取り上げなどが強められる危険性がある。

 ③疾病予防や健康づくりなど、住民の健康を守る市町村の独自努力に水を差すことになる恐れがある。

 特に、①については、参加者から数多くの懸念の声が出されました。

 市町村の繰入がなくなり、国の国庫負担の増額がない状況ならば、広域化された国保の料金が確実に上がることになります。

 山口県も国保の広域化を進める方向で議論が進んでいるようですが、県民の医療を受ける権利が高まる改革なのかをよく見極める必要があります。

 国保法の原則に立って、国の責任を明確にしながら県民の命を守る立場から県の責任ある発言と行動が求められます。

 私は、広域化にあたって、この点で、県の姿勢を注視、発言を行っていきたいと思いました。

 やはり、全国の経験を聴けたことは大変、勉強になり刺激を受けました。

 皆さんも国民健康保険や医療制度についてのご意見をお聞かせください。

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  分科会の基調報告を行う神奈川県の神田さん

 

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  1. 京都府の医療保険相談の図を知りたい。副出表示です。

    by 京都府の医療保険相談はこちら — 2017年2月18日 19:51 PM

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