小泉内閣は2002年度の予算で社会保障費の自然増を3000億円減らし、03年度から06年度まで毎年2200億円づつ削減しました。06年の「骨太方針」でも、07年度から11年度まで毎年2200億円を減らしつづけることを明記しています。
この動きに対し、日本医師会は、7月15日付けの「朝日」「日経」に、「日本医師会は、国民のみなさんとともに社会保障費の年2200億円の削減に反対します」という大見出しの全面意見広告を出しました。「社会保障、そして国民医療を守るために、日本医師会は、国民のみなさんとともに戦います」との広告文には決意が漲っています。
7月24日には、日本医師会など医療関係団体で構成する国民医療推進協議会が、東京都内で「地域医療崩壊阻止のための総決起大会」を開きました。大会の冒頭竹嶋日本医師会副会長は、「国民が社会保障に対して不安を持っているいまこそ、政府の間違った方針の反省を促し、社会保障費の機械的抑制を撤回する明確な方針転換を国民とともに要望していくことが必要だと判断した」と大会開催の趣旨を説明しました。
山口県ではどうでしょう。県医師会など医療関係16団体でつくる「県民の健康と医療を考える会」が7月22日、地域医療崩壊阻止のための国民運動決議を知事に提出しました。
短いので、全文を紹介します。「長年にわたる社会保障費の伸びの抑制が、救急医療、後期高齢者医療や医師不足等の問題にみられるような医療崩壊を顕在化させたことは明らかである。国民が安全で安心な医療を受けられるための確固たる地域医療提供体制の再構築には、適正な社会保障費の確保が必要不可欠である。よって、山口県民の健康と医療を考える本会会員10万5000人の総意として、次のとおり決議する。1、社会保障費の年2200億円削減撤廃」
医師会の先生方をはじめ、医療関係団体が政府などに、このような要望をすることに、私は地殻変動を感じます。自然災害として地殻変動は歓迎しませんが、社会運動としての地殻変動は大歓迎です。
県知事は、10万5000人の医療関係者から2200億円の社会保障費削減撤廃を託されました。この要望に答えることができるのはどの候補者か、今度の知事選挙ではよく見極めることが大切です。
今こそ、国いいなりの県政を転換し、「社会保障費を削るな」と国にはっきり物が言える知事を誕生させる時です。
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