フランスの作家ピエール・ルメートルさんの「悲しみのイレーヌ」を読んでいます。
「悲しみのイレーヌ」は、大ヒットした「その女アレックス」の前日譚とも言うべきもので、カミーユ・ヴェルーヴェン警部が、悲惨な殺人事件を追います。
私は、ほとんど翻訳作品は読みませんが「その女アレックス」は一気に読んでしまい、この作品もグイグイ読めます。
理由は、橘明美さんという翻訳家の実力が第一でしょうが、原作者のピエール・ルーメートルさんのスピード感溢れる筆致のなせるものだと思います。
今朝の新聞には、二つの作品の累計が80万部を突破したとありました。日本でも二つの作品とも大ベストセラーになっています。
10日の読売新聞の文化欄に原作者のピエール・ルメートルさんが在日フランス大使館の招きで来日したとの記事を読みました。
ピエールさんは日本での高評価に「日本で愛される作品になったことがうれしい。大江健三郎さんや、三島由紀夫、川端康成といった日本文学の作家と同じファミリーになったような感動を覚えた」と語っています。
また、自らの作品について「読者の確信が揺らぐようなショックを与えたい。波もなくて、読み終えてスムーズにベットに入ることができる小説が、出来がいいといえますか?」と語っています。
本当に彼の作品を読んでいると「確信が揺らぐようなショック」を受けます。
目を覆いたいような場面が続きますが、続きを読んでしまうのです。
第一次大戦末期のフランスを舞台として、戦争で人生をねじ曲げられた2人の男性を中心に描かれた作品である「天国でまた会おう」が最近、翻訳されました。
「悲しみのイレーヌ」の次は、「天国でまた会おう」を読みたいと思います。
ピエール・ルメートル作品に関する感想をお聞かせ下さい。
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