重松清さんの小説「流星ワゴン」を読み終えました。
主人公は、38歳の永田一雄。38歳の父親忠雄と出会う物語です。
一雄と忠雄は、話もしないような仲。
一雄の家庭は崩壊した家庭です。
一雄は、同年齢で出会った忠雄と一緒に、崩壊前の一雄の家庭に立ち向かいます。
一雄と忠雄に友情のような感情が芽生えます。
私の父親は、8年前に他界しました。
大学を卒業し、日本共産党の市議会議員に立候補を決意した頃、父は、小学校の校長でした。
父は私の立候補に大反対して幾度となく議論しました。
父が退職し、私に子どもが出来た頃から、父は知人に私の支援を頼んでくれるようになりました。
今では、父にとても感謝しています。
ようやく穏やかに話せるようになった頃、父は体調を崩すようになり、思うように話せなくなりました。
もし、50歳の私の前に、50歳の父が現れたら、どんなに嬉しいだろうとこの小説を読んで思いました。
子どもたちが思春期に入り、コミュニケーションが取りずらいことが多くなりました。
もし、子どもが50歳になった時、50歳の私のままで、出会うことが出来たらどんなに素晴らしいことでしょう。
こんなことも思わせてくれる作品でした。
不可能なことだから小説になるのでしょう。
ギクシャクするのが家族。それでも影響し合うのが家族だと思わされました。
子どもたちとはこれからもギクシャクするだろうけれど、しっかり、向き合っていきたいと思いました。
重松さんは、この小説を通して、「人生は、ギクシャクの連続だけれど、投げ出してはいけない。明日はくる」ことを訴えたかったのだと思いました。
一雄を取り巻く環境は最悪だけれど、重松さんは、最後まで一雄にエールを送り続けていました。
その辺りが、この小説の醍醐味だと思います。
重松作品は、いつも私を励ましてくれる応援歌であり続けてくれます。
「流星ワゴン」もそのような作品でした。
重松さんありがとうございました。
この小説がどのような映像になるのか、18日スタートのTBS日曜劇場「流星ワゴン」を大いに期待しています。
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