今日も妻と一緒に、山口昔ばなし大学基礎コース第二回講座二日目を受講しました。
午後に、小澤俊夫先生の「昔話の語法」の講座がありました。
福音館書店から小澤俊夫著「昔話の話法」という本が出版されています。
著者から直接、自著について解説していただくとはなんと贅沢なことでしょう。
今日は、昔話の語法を、スイスのマックス・リュティの理論から学びました。
リュティは、「われわれはこの平面的叙述はすべて無能力から生まれるのではなくて、昔話の非常に断固とした、たしかな形式意思から生まれるものであることを感じる」と述べています。
小澤先生は、自著で「昔話に固有の形式意思ありと認めたのは、リュティの大きな功績です。」と述べておられます。
小澤先生は、このような立場から「昔話を崩さないで引き継いでいきたい」と今日も話されました。
リュティは、「昔話は具象的世界をつくりかえ、その諸要素に魔法をかけてべつの形式をあたえ、そうやってまったく独自な刻印をもった正解をつくりだすのである」と述べています。
絵画に抽象絵画と具象絵画があるように、文学の世界で考えると、昔話は抽象的様式を持っているという理論です。
そう考えると、リュティが前段で「無能力から生まれるのではなく」と述べた意味が分かります。
昔話は、形式意思を持った抽象的様式を持った文学だったのです。
昔話という地平の広さを感じた今日の講義でした。
予習・復習を少しづつ行い、10月に行われる第3回講座を首を長くして待ちたいと思います。
小澤俊夫先生という日本を代表する「知の巨人」のお話が宇部市で聴ける贅沢を感じた一日でした。
小澤先生、スタッフの皆さんありがとうございました。
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