11日の朝日新聞は、愛媛県西予市野村町の浸水被害で5人が死亡した事案を報じていました。
「大雨が続く7日朝、愛媛県西予市野村町を流れる肱川の水かさが、一気に増えた。水流が堤防を越え、約650戸が浸水。住民5人が命を落とした。」「その直前、約2キロ上流にある多目的の野村ダム(高さ60メートル・長さ300メートル)の放流量が急増していた。国土交通省四国整備局によると午前6時20分にダムは満水になりかけていた。当時、毎秒439立方メートルを放流していたが、上流から1279立法メートルが流れ込み、あふれる危険が高まっていた。放流量を増やし、午前7時50分には4倍の1797立方メートルに達した。流入量は10分前に、過去最高の2・4倍にあたる約1940立方メートルまで増えていた。流入量まで放流量を増やす措置は『異常洪水時防災操作』という。西予市よると、整備局あらこの操作を始める見込みを最初に伝えられたのは7日未明のこと。避難情報の検討をした後、午前5時10分に防災行政無線で住民に避難指示を周知した。」
北海道大学大学院の山田朋人准教授(河川工学)は、朝日新聞のインタビューで「堤防や遊水地の整備など複合的な対策のほか、ダム関係者と地域との水害に備える訓練も大切になってくる」と指摘しています。
宇部市内には、厚東川ダム、真締川ダム、今富ダムなどがあります。
愛媛県の事案を教訓に、ダム下流地域住民と県や市が、水害に備える訓練などを行う必要があると思います。
厚東川を例に考えてみます。
2005年に県は、厚東川の浸水想定区域図を示しています。
浸水は、厚東地域の一部、西宇部、厚南、黒石、原の昔の開作地域は全て浸水地域に入っています。浸水の影響が及ぶ人口は、数万世帯に及ぶ規模です。
厚南地域の開作地域に住んでおられる方は、是非、厚東川浸水想定区域図をご覧になって万が一に備えていただきたいと思います。
2006年に、県厚東川ダム管理事務所長と宇部市長が「厚東川ダム放流警報装置を利用した災害情報等の伝達提供に関する協定書」を交わしています。
厚東川に警報所は8か所あります。
①厚東川ダム警報局②木田橋警報局③車地警報局④吉見警報局⑤持世寺警報局⑥末信警報局⑦広瀬警報局⑧厚南警報局
警報施設は通常は、ダム放流の情報を提供するものですが、洪水被害等の発生が予想さっる場合に、警報施設を活用して、災害情報を伝達しようとするのが、上記の協定書の目的です。
警報局が、人口の多い、厚南地域に1か所というのは少なすぎると私は感じます。
私の家から一番近い警報局が広瀬警報局です。豪雨時、警報が鳴っているのを耳にしたことがあります。
警報と同時に、これら情報をどのように個々の住民に届けていくのかが重大です。
愛媛県のケースは、防災行政無線で住民に避難指示を出していたのに、5名の方が亡くなっておられます。
宇部市は、防災行政無線を保有していないと理解しています。
防災メールを宇部市は市民に登録するよう推奨していますが、全員への徹底は困難です。
災害時に支援が必要な人の把握はされていると思います。その方にどのように情報を届けるのか、自主防災組織の活用を含めて、災害を想定した訓練が必要だと感じました。
厚東川では、堤防未設置地域である厚東川の沖ノ旦・末信地域4キロの堤防が一日も早く設置される必要があります。
厚東川支流の樋門やポンプ施設のチェックも必要です。
今回も支流流域で多くの被害が発生しました。本流が満水になった場合、支流の水をどのように排水するのか、山口県や宇部市でも対応すべき箇所は多数あると思います。
愛媛の事案を教訓に、災害のない、今、ハード、ソフトで対応すべきことは対応しておくが必要だと思います。
厚東川ダム流域の皆さん、その他のダム流域の皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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