議員日誌

日本近現代史を読み抜く

 念仏者9条の会・山口主催の「日本近現代史を読み解く」連続講座が昨日、本願寺山口別院で行われました。

 講師は、纐纈厚山大名誉教授です。昨日は、第5回でテーマは「『国体明徴』と天皇機関説問題~台頭するファシズム」でした。

KIMG1257_20170402075532

 日本近現代史学習会で講師を務める纐纈先生

 私が、昨日の学習会に参加して一番印象に残ったのは、「陸軍パンフレット」事件でした。

 1937年10月10日、陸軍省新聞班が「国防の本義と其の強化の提唱」という文書を発表しました。

 「提唱」は「たたかいの意義」として「たたかひは創造の父、文化の母である。試練の個人に於ける、競争の国家に於ける、斉しく夫々の生命の生成発展、文化創造の動機であり刺戟である。」と書いています。

 「提唱」は「国防の意義」として「『国防』は国家生成発展の基本的活力の作用である。従って国家の全活力を最大限度に発揚せしむる如く、国家及社会を組織し、運営する事が、国防国策の目でなければならぬ。」と書いています。

 「提唱」は「国家総動員的国防観」として「然るに学芸技術の異常なる発達と、国際関係の複雑化とは、必然的に戦争の規模を拡大せしめ、武力戦は単独に行はるゝことなく、外交、経済、思想戦等の部門と同時に又は前後して併行的に展開されることゝなった。従って右の要素を戦争目的の為め統制し、平時より戦争指導体系を準備することが、戦勝の為め不可決の問題たるに至った。」と書いています。

 纐纈先生は、この「提唱」を「国防が至高の価値を有するという見解が公然と表明されたもの」と説明されました。

 また、纐纈先生は、この1930年代は、日本が「復元力を失いつつある時代」と説明されました。

 「戦争を突入するに至る不可逆点がこの時代だ」と説明されました。

 纐纈先生は、「戦前の思想を学び、失敗の教訓を学び、今日に活かすことが『歴史に学ぶ』ことだ」と話されました。

 そして纐纈先生は「今日の時代が、1930年代に酷似している。歴史を繰り返さないために、歴史に学ぼう」と話されました。

 戦前の軍国教育の中心にすえられた「教育勅語」について安倍内閣は3月31日は、「勅語を、わが国の教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切である」としながら「憲法や教育基本法に反しないような形で勅語を教材として用いることまでは否定されない」との答弁書を閣議決定しました。

 安保法制=戦争法の強行、国会での審議入り狙う「共謀罪」法案と併せて、「教育勅語の教材使用の容認」の閣議決定は、戦前の歴史に学ばない安倍政権の姿勢を顕著に表すものだと思います。

 安倍内閣は歴史に学ばないだけでなく「陸軍パンフレット」の思想とを是とする内閣であるならば、大問題です。

 今こそ、戦前の政治思想を学び失敗の教訓を学ばなければならないと痛感します。

 今、澤地久枝著「雪はよごれていた 昭和史の謎 二・二六事件最後の秘録」を読み直しています。

 少しづつ、日本近現代史を学び直しています。

 安倍内閣の最近の動きに対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。