正月中に放映されたドラマ「坊ちゃん」を観ました。
嵐の二宮和也さんが坊ちゃん役を好演していました。
改めて坊ちゃんをじっくり見ると人生勉強になる場面が多々ありました。
一つは、「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」坊ちゃんを下女の清が「無暗に珍重」するところです。
清は坊ちゃんを「あなたは真っ直ぐでよい御気性だ」と「賞める事」が多々ありました。
坊ちゃんの癇癪はなかなか直らないけれど、坊ちゃんの精神的支柱として清は存在しているのだと言うことをドラマは強く描いていました。
宮本信子さんが清役を好演していました。
私もばあちゃん子で育ちました。両親とは違い、無条件で自分を認めてくれる祖母の存在が、私の精神を安定させていたことをこのドラマを観て改めて思い起こしました。
もう一つは、「真っ直ぐ」な坊ちゃんそのもの存在の大きさです。
夏目漱石は、坊ちゃんで、真っ直ぐに生きる素晴らしさを読者に訴えたかったのだということをドラマを通じて思い知らされました。
赤シャツは、為政者の象徴の様に描かれています。
赤シャツの陰謀に立ち向かう山嵐の姿は、漱石が戦争へ向かい自由を奪う時の政府へのアンチテーゼだったのではなかと思います。
山嵐や坊ちゃんの姿に、当時の読者も今の時代を生きる私たち読者もスカッとするのです。
新潮文庫の文豪ナビ「夏目漱石」の中で、作家の三浦しおんさんが、「ほとんど100年前に書かれた作品なのに、いま読んでもちっとも苦にならない理由は、漱石のこのユーモアにある。」と書いています。
赤シャツ、野だいこ、山嵐、うらなりなど、坊ちゃんの登場人物の名前自体ユーモア一杯です。
坊ちゃんのドラマを見て、改めて夏目漱石の偉大さを見つめ直しています。
新年は、夏目そう
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