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山口県人権推進指針が改定 「性同一性障害」が「性の多様性に関する問題」に変更される

 2012年3月に改定され、12年が経過した山口県人権推進指針が、改定され、12月16日に公表されました。
 私は、23年9月県議会で、「今の県人権推進指針にLGBT問題を『性同一性障害』と表記し『疾病』と解説している。WHOは、性同一性障害を精神疾患から除外した。山口県人権推進指針を早期に改定すべきだ」と質しました。
 藤田環境生活部長(当時)は「改定に向けて検討を行っている」と答えました。
 山口県人権推進指針の改定は、今年5月、第18回山口県人権施策推進審議会で素案の審議が行われ、11月、第19回山口県人権施策推進審議会で、最終案が審議されました。
 11月県議会環境福祉委員会で最終案が報告され、この程、指針が公表されました。
 改定された指針は、「性同一性障害の問題」は、LGBTなど性的マイノリティを対象にした記述として「性の多様性に関する問題」に変更されました。
 改定された指針の性の多様性部分について以下、全文を紹介します。
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 性の多様性に関する問題

1 現状と課題
 性のあり方には、大きく分けて「生物学的性」、「割り当てられた性」、「性的指向」、「性自認/ジェンダーアイデンティティ」、「性表現」の5つの要素があり、それぞれの組み合わせによって、多様な性が形作られています。
 「LGBT」は、多様な性をあらわす言葉のうち、代表的な性的マイノリティの頭文字を組み合わせた言葉で、性的マイノリティを総称する言葉としても使われています。
 LGBTをめぐる動きとして、レズビアン、ゲイなどの同性愛者は、過去には病気とされていた時期もありましたが、平成2年(1990年)にWHO(世界保健機関)が国際疾病分類から同性愛を除外し、治療対象ではなくなっています。
 また、トランスジェンダーについては、令和4年(2022年)に、国際疾病分類での名称が「性同一性障害」から「性別不合(出生時に割り当てられた性と実感する性別とが一致しない状態)」に名称変更されるとともに、分類も「精神疾患」から「性の健康に関する状態」に変更され、病気や障害ではなくなっています。
 なお、平成16年(2004年)には、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の施行により、一定の要件を満たすことで、性別の取扱いの変更が可能となりました。
 令和2年(2020年)には、「労働施策総合推進法」の改正(パワハラ防止法)により、性的指向・性自認に関する侮蔑的言動や、アウティング(本人の了解なく性的指向・性自認を他人に教えること)がパワハラに該当するものとされ、防止策を講ずることが事業主の義務となりました。
令和5年(2023年)には、性の多様性に寛容な社会の実現に資することを目的とした「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」(LGBT理解増進法)が施行されました。
 このように、LGBTを巡る社会的な動きが進んできたことから、性の多様性への関心や認知度は、県内でも高まっています。
 しかしながら、LGBTをはじめとした性的マイノリティの人々が実際に直面している困難は周囲に見えづらいことから、県民の理解や配慮は進みにくく、精神的な苦痛を感じるとともに、就職や住宅を借りる際など、社会生活を送る上でも様々な困難に直面しています。

2 基本方針
 LGBTなど性的マイノリティの人々への偏見や差別はあってはならず、多様性を認め、それぞれの生き方が尊重される社会を構築することが重要であることから、性の多様性に寛容な社会の実現を目的とする「LGBT理解増進法」の基本理念にのっとり、性的マイノリティの人々への正しい理解と認識を深め、性の多様性を認め合う意識が醸成されるよう、県民の理解増進に向けた普及・啓発に努めます。
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 旧山口県人権推進指針の「性同一性障害」の変更を求めてきた議員として、「性の多様性に関する問題」と改められたことを嬉しく思います。
 この新しい指針を基に、山口県で性の多様性に関する問題に関する人権保障が大きく進むよう、引き続き発言を行っていきたいと思います。
 

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