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今年度前半に地域医療構想の推進区域及びモデル推進区域が選定される動き 山口県でどうなるのか調査します

  県内の医師・歯科医師などで作る山口県保険協会報第597号(24年4月25日号)は、地域医療構想について次のように報じています。
 「4月2日、経済財政諮問会議では、この間の『新経済・財政再生計画』に沿った取り組みを検証、社会保障分野において、5年間で国費ベースで8000億円の削減を実現したとして、『医療介護のサービス改革・医療DX等の推進』『負担と給付の見直し』など20項目の評価を示した。こうした社会保障費の大幅削減が重大な問題を投げかけている中で、地域医療構想の実現や一人当たり医療費の地域差半減についてはさらなる『課題』があるとして、その対応策を今年の『骨太の方針』に盛り込むよう求めた。これに先立ち厚労省は、『地域医療構想及び医師確保計画に関するWG(2024/3/13)において、残り2年余りで期限を迎える地域医療構想のさらなる推進のために取り組むべき事項を定期。さらに社会保障審議会医療部会(2024/3/21)では、それと併せて、2026年度以降の新たな地域医療構想の考え方をまとめることを表明し、その検討に入るために『新たな地域医療構想等に関する検討会』を立ち上げ、議論を開始している。現在の地域医療構想は2025年に向けての医療提供体制の整備計画であり、都道府県に設定された地域医療構想区域ごとの『病床数の必要量(必要病床数)』を医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)ごとに推計し、その数値に近づけるために病床の統合、再編(削減)が進められている。この間の政府の取組として、①各医療機関への『病床機能報告』義務付け、②構想区域ごとに設置した『地域医療構想調整会議』における病床再編等の議論の推進、③病床再編への金銭的なインセンティブとして『地域医療介護総合確保基金』の活用促進、さらには、④公的病院を中心に地域医療構想実現に向けた『具体的対応方針の再検証』の要請など、強引な病床再編を迫ってきた。しかし、この間、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、対応に貢献した公的病院の役割の見直しもあって病床確保の重要性が再認識されるなどの動きもあり、厚労省の思うような病床再編にはつながっていない。そうした中での経済財政諮問会議による『検証』であり、地域医療構想の『必要病床数』と2025年における『病床機能報告上の病床数』では、総数においては近づきつつあるものの、構想区域別・機能別の必要量に差異が生じている点を課題とした。その点は厚労省としても同様に住しており、『病床削減』目標達成の手段として、すべての都道府県に1~2カ所の『推進区域』を設定。その中から全国で10~20カ所の『モデル推進区域』を選定し、アウトリーチの伴走支援(地域の医療体制・診療実績のデータ分析や財政優遇など)を行うことを提唱した。これを含め目標達成に向けた国のかかわりも積極的に行うことを提起した。これも含め目標達成に向けた国の関わりも積極的であり、「積極的支援」として6項目を掲げ、目標達成(病床削減)に向けた国の意気込みを示している(2024年3月28日医政局長通知)。入院医療費が医療費全体を押し上げているとして病床削減の目標達成は重要課題となっており、急性期病床が想定より多いことを問題視した諮問会議の意見をもとに、地域医療構想実現に向け都道府県に対して大いにハッパをかけるものとなっている。その一方で、厚労省は2040年を見据えた『新たな地域医療構想』の考えをまとめるために立ち上げた『新たな地域医療構想等に関する検討会』は、3月29日に初会合を開いた。人口減少や高齢化が進む2040年ごろを見据え、医療・介護の複合ニーズを抱える85歳以上人口の増大等に対応できるよう、病院のみならず、かかりつけ医機能や在宅医療、医療・介護連携等を含め、地域の医療供給体制全体の地域医療構想(地域医療介護構想)として検討していくことを掲げた。2025年に向けた病床削減の議論は進んでいるが、それによって在宅に追いやられる事態が想定されるわけであり、外来、在宅医療等を含めた医療供給体制の議論が不十分であることも指摘されている。これについてはかかりつけ医機能と連動させての議論も必要となるが、すでに、医療法改定によって医療機能情報提供制度等を活用することによってかかりつけ医機能の報告も求められることとなっている。2025年4月からの施行であり、病床の問題にとどまらない『新たな地域医療構想』の動きは、外来医療の再編へと動いていくことが想定される。これに関しては様々な検討会やワーキングチームが検討を開始しており、その議論には大いに注目していく必要がある。」
 今年3月21日に開催された第107回社会保障審議会医療部会の資料1「地域医療構想の更なる推進について」に、国と都道府県が協議し、今年度前半、「都道府県あたり1~2カ所の推進地域及び、全国10~20カ所程度のモデル推進区域を設定」するとあります。
 2025年の地域医療構想最終年に向けてラストスパートを国はかけようとしています。
 この動きに県は、どのように対応しようとしているのかしっかりチェックしていきたいと思います。
 地域医療構想の最終版の局面に対するご意見と、2040年に向けた新しい地域構想策定むけた動きに対するご意見をお聞かせください。

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