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松原文枝監督の映画「ハマのドン」を観ました。

 松原文枝監督の映画「ハマのドン」を観ました。
 秀逸なドキュメンタリー映画でした。この作品も私のベスト10に入る作品です。
 ワイカムシネマで16日まで上映されていますので、一人でも多くの方に観ていただきたい作品です。
 映画のパンフレットの解説部分を紹介します。
 「2019年8月、『ハマのドン』こと藤木幸夫が横浜港をめぐるカジノ阻止に向けて立ち上がった。御年91歳。地元政財界に顔が効き、歴代総理経験者や自民党幹部との人脈、田岡一雄・山口組三代目組長ともつながりがあり、隠然たる政治力をもつとされる保守の重鎮だ。その藤木が、梶のを推し進める政権中枢に対して、真っ向から反旗を翻した。今の時代が、戦前の『ものを言えない空気』に似てきたと警鐘を鳴らし、時の最高権力者、菅総理と全面対決した。決戦の場となったのは横浜市長選。藤木が賭けたのは、住民投票を求める署名を法定数の3倍を集めた市民の力だった。裏の権力者とされる藤木が、市民とカジノ反対の一点で手を結び、時の総理と官房長官が推し進めた『カジノ誘致』の国策阻止を成し遂げた。パーソナルな話題があふれるこの情報社会の中で、本来の保守とはなにか、人心を動かすとはどういうことなのか、社会のありよう、メディアの在り方、民主主義とはなんなのか。本作を手掛けた監督はテレビ朝日『報道ステーション』プロデューサーを務めた松原文枝。プロデューサーは『テレメンタリー』の江口英明と『民教協』の雪竹弘一。ナレーションにはリリー・フランキーが加わった。藤木が市民と手を取り合い、カジノ誘致を覆したその軌跡を追うとともに、市民の声が届かない今の時代の政治権力をどうみるのか。政治を諦め無関心となる間に、国の根本となる重要政策の転換がなされ、手遅れの事態となる。藤木の闘いは今の政治を変えて行くために何が必要なのかーここには一条の光がある。」
 映画の冒頭、藤木さんが、戦前の「ものを言えない空気」に似てきたと語るシーンは、正鵠を射る発言だと感じました。
 また、映画を見終わった後、藤木の姿勢に、一条の光を感じました。
 映画のパンフレットで政治ジャーナリストの星浩が、次のように書いています。
 「『カジノ反対』という藤木の投じた一夕は波紋を広げ、政権の終焉につながった。保守・自民党のど真ん中にいた藤木の反乱は、自民党の中に安倍・菅に代表される『成長のためなら何でもあり』という考えと、藤木のような『倫理』を重んじる考えが混在していたことを浮き彫りにした。菅の後を引き継いだ首相・岸田文雄は『聞く力』をアピールして自民党内の融和を進めた。だが、『藤木の乱』が見せつけた自民党無いの根深い亀裂は、国の在り方をめぐる対立の中で再び表面化してくるだろう。」
 私は、山口県で浮上した使用済み核燃料の中間貯蔵施設調査開始の問題も、「成長のためなら何でもあり』の自民党の考え方の現れの一つだと思います。
 9月県議会に、5団体から「中間貯蔵施設に対する反対」の意思表示を県議会に求める請願に対し、自民党が不採択との判断を示す中で、元自民党県議で現在、新政クラブの合志栄一議員が、請願を採択すべきと討論されたことは、私の心を打ちました。
 合志議員は「関電の使用済み核燃料の搬入・貯蔵を容認するような県政は、県民の信頼を失うことになると懸念しております。このことに関しては、明確に拒否の方針を明らかにすべきです。」と堂々と中間貯蔵施設の問題点を本会議場で述べました。
 私は、議場から「これぞ保守の姿」と合志さんにエールを送っていました。
 映画のパンフレットでノンフィクションライターの森功さんは次のように書いています。
 「藤木と菅、2人の決定的な違いは、市民目線にほかならない。利権構造のなかで力をつけてきた菅には、そこが賭けていた。ギャンブル依存症に苦しむ市民の側に立ち選挙を戦ったハマのドンには、ときの総理である菅も敵わなかった。それは必然だった。」
 今の自民党は、利権構造を優先させ市民目線を忘れかけているのではないでしょうか。
 映画のパンフレットで、ジャーナリストの兼平茂紀さんは、こう述べています。
 「この映画のテーマは、彼の人間的魅力だけでなく、私たちの社会のいちばん大切な理念=<主権在民>という、いま忘れかけている、戦後日本の宝物なのだと気づいた。」
 藤木さんの姿勢と横浜市長選挙の結果を描いた本作に一条の光を見出したのは、主権在民という大切な日本の柱、政治の柱を私に思い起こしてくれたからだと思います。
 私は、この映画に励まされ、これからも主権在民の市民目線で、県内で進められてている使用済み核燃料の中間貯槽施設の問題や、大胆に進められようとしている高校再編問題などで、モノ申していきたいと思います。
 藤木さん、監督の松原さん、素晴らしい映画をありがとうございました。
 政治家の一人としてとても元気づけられました。
 松原監督の次回作を楽しみにしています。
 皆さんがご覧になった映画の感想をお聞かせください。

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