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中間貯蔵施設を学ぶ学習会に450人が集う

 NHK山口放送局は、昨日、上関町で行われた使用済み核燃料「中間貯蔵施設」に関する学習会について次のように報じました。
 「上関町で、使用済み核燃料を一時保管する『中間貯蔵施設』の建設に向けた調査が進められる中、反対派の議員などによる講演会が町内で開かれました。この講演会は、『(上関原発)建設に反対する2市4町議会議員連盟』が開いたもの、住民などおよそ450人が参加しました。講演会では、脱原発の立場をとる『原子力資料情報室』の伴英幸共同代表が講演し、中間貯蔵には使用済み核燃料を保管する建物に加えて、港湾整備や専用の道路も必要なため、森林の伐採など大規模な環境破壊が避けられないと考えていると述べました。また、建設の周辺では、少量の放射線に被爆する可能性があり、噴火や地震などで施設が被害を受けるリスクもあると指摘しました。参加した町内の70代の男性は『核燃料サイクルが確立していないため、中間貯蔵と言いながらいつまで貯蔵するのか分からないので反対だ』と話していました。また、山口市の60代の男性は『福井県から使用済み核燃料が運ばれるということは、そのほかの自治体にも危険が及ぶ可能性があるので、上関町だけの問題ではなと思う』と話しました。」
 私は、昨日のブログに書いたように、昨日、午前中は、宇部市吉部で行われたお寺の法座に出席しており、上関町の公園会場に到着したのは、午後2時半過ぎで講演も後半でした。
 私は、これも先のブログで紹介したように、8月13日、伴さんの講演をお聞きしています。昨日の講演では、13日の話を柱にして、詳細な説明が行われたようです。


 中間貯蔵施設の問題点について講演する伴英幸さん 会場には450人の住民が集いました。

 福井県の6月県議会において7月20日に「関西電力による使用済み核燃料仏搬出計画への対応に関する要望・意見書」(以下、意見書)が賛成多数で可決しています。
 福井県は、使用済み核燃料の県外搬出を関西電力に求めてきました。関西電力は、6月12日、高浜原子力発電所で保管する使用済みMOX燃料・核燃料の一部をフランスに再処理する計画を福井県に説明しました。
 意見書は、「今回関西電力が搬出を計画する使用済み燃料は200tで、同社が福井県内に保有する使用済み燃料の5%に過ぎない。95%の使用済み燃料をどうするのか、計画地点も示さないまま『約束を果たした』とする同社の説明は契約履行の観点から見てもおよそ成り立つものではなく、福井県民の同社に対する信頼も大きく毀損しかねない発言だ」と関西電力の姿勢を批判した上で、国に対し「中間貯蔵施設の課題を事業者任せにすることなく、国として主体的に取り組むよう要望」しています。
 福井県議会で、関西電力の使用済み核燃料の県外搬出を徹底する意見書が採択された、わずか12日後の8月2日、中国電力は、上関町に対し、中間貯蔵施設設置に向けての調査を行う意向を伝えました。
 福井県議会で意見書が採決された28日後の8月18日に、上関町長は中国電力に調査の実施を了承する回答を行いました。
 伴さんが昨日の講演会で指摘されましたが、今回の上関町への中間貯蔵施設建設に向けた調査実施は、「関電救済のための中間貯蔵施設」だと言えます。
 福井県が県是として、県外搬出を主張している使用済み核燃料をなぜ、山口県が受け入れなければならないのか、この一点でも、今回の問題を冷静に考えなければならない重大問題だと思います。
 拙速に、事を決め、孫子に負債を残すことがあってはなりません。
 福井県議会の意見書にあるように「国の責任」が問われています。国は核燃料サイクルが破綻している事実を認め、使用済み核燃料をどう処理するのか明確な方針を示すべきです。
 それより前に、山口県内に軽々に中間貯蔵施設を造るべきではありません。そのための調査を行うべきではありません。
 使用済み核燃料をこれ以上増やすべきではなく、原発回帰のGX基本計画を国は抜本的に見直すべきです。
 昨日、上関町に中間貯蔵施設建設に疑問を持つ町内外の住民が約450人集いました。
 私は会場に入り、その熱気に圧倒されつつ、元気をいただきました。
 山口県に中間貯蔵施設を建てさせないために、引き続き、県民の皆さんと連帯を深めていきたいと思います。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

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