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イージス・システム搭載艦の展開について防衛省は「予め特定の海域を排除するものではない」と回答

 イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会(森上雅昭代表・以下、住民の会)は、昨年10月27日、申し入れ書を提出し、本日、一部、防衛省から文書での回答がありました。

   防衛大臣への申し入れ書を提出する住民の会の森上代表 受け取ったのは、萩市総務部長 手前が私

 防衛省から文書で回答があった部分の質問と回答は次の通りです。
 住民の会の質問
 防衛大臣記者会見(2022年9月20日)において、「イージス・システム搭載艦については、情勢に応じ、2隻で常時持続的にわが国を防護しうるもの」との発言がおこなわれた。
 この件について、以下の通り、説明を求める。
 ①かつてイージス・アショアに関する説明会では「我が国全域を防護する観点から、北と西にバランス良く2基を配置するためには、どのような場所にイージス・アショアを配置するのが適当か数理的な分析を実施。結果、多くの地域を防護するためには日本海側に配置することを確認。さらに分析を重ね、山口県付近と秋田県付近にイージス・アショアを配置した場合、2基で最もバランス良く我が国全域を防護することが見込まれた」(『第二回説明会資料24頁』2018年防衛省)とされた。
 イージス・システム搭載艦の配置も、山口県萩市沖と秋田県秋田市沖となるのではないか。
 ②2021年12月の防衛省による住民説明会では、「情勢に応じて柔軟に展開する。特定の海域は想定していない」と、答えている。しかし、「2隻で常時持続的に我が国を防護しうる」ためには、「特定の海域としての山口県萩市沖海域と秋田県秋田市沖海域を含むのではないか。
 防衛省の回答
 〇これまで説明してきたようにイージス・システム搭載艦については、情勢に応じ、運用上最適な海域へ柔軟に展開することから、特定の海域で固定的に運用することを想定しているわけではないが、一方で、予め特定の海域を排除するものでもない。
 この回答は、情勢に応じて、山口県や秋田県沖という特定の海域を排除するものではないとの回答です。
 つまり、私たちが懸念していたイージス・システム搭載艦を、山口県萩市沖に展開することを排除しないとする回答です。
 本日、住民の会が防衛大臣に提出した申し入れ書には、防衛省が示したし新年度の予算概要に、「イージス・システム搭載艦2隻は主としてBMD任務を担う」とされ、「運用の一例」では、日本海に「BMD等」となっていることから「イージス・システム搭載艦2隻が日本海でBMD任務を行う海域候補地」について説明を求めています。
 この申し入れについて、防衛省は、7月10日に回答する予定です。どのような回答をするのか注目されます。
 本日は、1月19日に行った申し入れに対する回答が行われました。
 申し入れ書で住民の会は「『国家防衛戦略』の『統合防空ミサイル防衛能力』(18頁)の中で、『2027年度までに、警戒管制レーダーや地対空誘導弾の能力を向上させるとともに、イージス・システム搭載艦を整備する』と記述されている」と指摘しました。
 私は、「『地対空誘導弾の能力向上』とは、反撃能力に関わる力を持つということか」と質問しました。
 防衛省の担当者は「その通りだ」と答えました。
 専守防衛の元でのイージス・システム搭載艦は、専ら弾道ミサイル防衛(BMD)に徹するものでした。しかし、反撃能力を持つとの安保三文書の改定後のイージス・システム搭載艦は、主にBMDを行うことを任務とするが、地対空誘導弾(パトリオット)などを搭載し、我が国から有効な反撃を行う能力も保有することになるとの説明だったと私は理解しました。
 敵基地攻撃能力をも保有するイージス・システム搭載艦が萩市沖に展開する可能性があることが、本日の防衛省での交渉で分かりました。
 イージス・システム搭載艦に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

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