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県関与産業団地を新しく作る理由を質す

 私は、17日に一般質問で登壇し、県関与産業団地について質問しました。
 本議会に提出された補正予算に、新たな産業団地を整備するための事業費が約8000万円計上されています。
 2012年3月、土地開発公社など3公社が廃止されました。当時、県関与産業団地97.2㌶の内、分譲ができたのは41.8㌶に留まり、産業団地の負債額は約43億円に上り、同額の県債発行によって処理されました。
 2011年2月県議会の私の質問に、二井知事は「長期の経済状況の変化を読み取ることができなかったことは、私の不徳のいたすところであり、今後は反省の上に立ち、確実なニーズの見通しが立たなければ、新たな産業団地は造成すべきではないと考える」と答えました。
 私は、「なぜ、新たな産業団地を造成するのか。確実なニーズの見通しを立てた計画なのか」と質しました。
 小関商工労働部長は「土地開発公社解散時において、産業団地の未分譲面積は、約55㌶あったが、この10年で分譲が進み、現在では、約11㌶になっている。この11㌶についても、企業からの引き合いがあり、今後も順調な分譲が見込まれている。こうした企業ニーズに加え、今後も、グリーン化やEV化、製造拠点の国内回帰などへの対応により、企業の設備投資は堅調に推移するものと考えている。また、多くの企業から、県東部地域に進出したいとの声もいただいていることなどを総合的に勘案して、このたび、光市に産業団地を整備することとした」と答えました。
 県は、公社に約17億円の利子補給を行い、地元自治体4割、県4割の土地取得費を補助する制度を創設していました。
 私は、「新しい産業団地には、利子補給や土地取得費補助などの税金投入はせず、団地造成にかかった経費を企業の負担とすべきだ」と質しました。
 小関部長は「適地については、企業ニーズを踏まえ、インターチェンジに近く、一定規模の分譲面積の確保が可能なことや、価格競争力のある産業団地となるよう、開発期間や費用の圧縮が可能な用地を選定したところである。今後、調査や設計等を進める中で、事業費の圧縮に努めていくこととしており、現時点で、補助金など、県の負担は予定していない。」と答えました。
 私は、再質問で、「部長から、ニーズの見通しとして、グリーン化、EV化、製造拠点の国内回帰等言われたが、一般論と言わなければならない。今議会で、『本年度第二期事業をどこで進めるべきか調べる』との答弁があった。防府市の民間団地も含め、県内には55.8㌶の産業団地の未分譲がある。その中で、なぜ、今年度から光市に8㌶の産業団地を造成するのか、その上でまだ、第二期団地も検討に入るのか、県の確実なニーズの見通しについて尋ねる」と質しました。
 小関部長は「本県の基幹産業である輸送用機械関連産業は、特に自動車産業において、北部九州・広島と合わせて、国内における一大生産集積地を形成しており、EV化の大きな流れを目の当たりにしている産業だ。また、製造拠点の国内回帰などの動きを受けて、世界市場が急拡大している半導体産業においても、特に半導体製造装置に関連する企業が、本県には多く立地している。個々の案件を詳細に申し上げることはできないが、実際にこうした関連企業から、県東部地域を中心に、新たな拠点整備に向けた問い合わせを数多くいただいているところだ。さらに本県では、医療や医薬品関連産業も集積している。これらの関連企業等から、本県の自然災害の少なさといった利点から、リスク分散の観点で、新たに製造拠点を設けたいとの問い合わせもいただいている。こうした本県独自の具体的な企業ニーズの状況を踏まえ、新たな産業団地の整備に取り組みたいと考えている」と答えました。
 私は、「県関与団地に、地元4割、県4割の土地取得補助金を事業者に補助したことを指摘したが、この団地補助金は何件に補助したのか、用地取得費はいくらだったのか、県と市はどれだけの補助を行ったのか、実際に企業負担はいくらだったのか」と質しました。
 小関部長は「平成24年以降、件数は33件、用地取得額は約72億7400万円、県の補助が約28億600万円、市の補助は28億600万円、企業負担は16億6000万円。」と答えました。
 私は、再々質問で、「産業団地取得補助金は、用地経費が72億円だったのに、企業は、2割の16億円しか出していない。差額の56億円は県と市が税金を投入して処理した。全国にあまり例がない対応だ。今後、このような用地取得費補助は慎むべきだ。また、産業団地の特別会計の議案をみると、歳入として財産収入の他に、県債、負担金及び一般会計繰入金、歳出にも、県債等々とある。歳入として財産収入が不足した場合、歳出である団地造成費が賄えず、歳入不足を穴埋めすることを前提として、特別会計の歳入に県債、負担金、一般会計繰入金等を明記したものではないのか」と質しました。
 小関部長は「適地の選定については、価格競争力のある産業団地となるように、開発期間や費用の圧縮ができるような用地を選定した。今後、調査や設計等を進める中で、事業費の圧縮に努めていくこととしており、現時点では、補助金など、県の負担は予定していない。かかった経費を企業の売却収入で賄うということにしており、全体として県の費用は入れずに運営していくということを考えている」と答えました。
 県が、今後造成する産業団地について、「現時点で、用地取得費補助などの県費を入れずに運営していく」と回答したことは重要です。
 県関与の産業団地について、今後ともしっかりチェックしていきたいと思います。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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