連れ合いと一緒に、昨日、小倉昭和館に出向き、「モーリタニアン 黒塗りの記録」と「MINAMATA」を観ました。
今日は、映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」の感想を述べたいと思います。
この映画は、映画鑑賞会を主宰する方から「昨年No1の映画」と勧められ、小倉昭和館での上映が分かり、観に行った作品です。
アメリカ近代史の闇を照らした素晴らしい作品でした。私の生き方を励ましてくれる映画でした。今月21日まで小倉昭和館(093-551ー4938)で上映中ですので、是非、多くの方に観て頂きたい作品です。
映画のパンフレット(ストーリー)を引用します。
「人権派弁護士として仕事に人生を懸けるナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)にとって、それはどうしても放っておけない案件だった。時は2005年、アメリカ。ナンシーは無償奉仕活動として、キューバのグアンタナモ米軍基地に拘束された男の弁護を買って出る。彼の名はモハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)、2001年にアフリカのモーリタニアから、米同時多発事件の首謀者の一人として連行されたが、裁判は一度も開かれていない。『不当な拘禁だ』と訴えることにしたナンシーは、若手弁護士テリー・ダンカン(シャイリーン・ウッドリー)に通訳兼アシスタントを依頼する。時を同じくして、『グアンタナモに収容中の敵戦闘員を、9.11の戦犯法廷で裁け』という大統領令命令が下り、政府が死刑第1号にと望むモハメドゥの起訴をスチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が担当する。中佐はハイジャックされた機の副操縦士だった親友の無念を晴らそうと意気込んでいた。グランタナモを訪れたナンシーとデリーが、異様なほど厳重な警備を通過すると、足かせをされたモハメドゥが待っていた。ナンシーは、尋問官に知られると危険だと恐れるモハメドゥを、証言として手記を書くよう説得する。帰国したナンシーとテリーは、一通または一通と届くモハメドゥの手記の予測不能な展開に息をのむと共に、彼のユーモアと人間味溢れた人柄にも惹かれていく。そんな中、政府に請求していた軍による調査資料がようやく届くが、中身はほとんど真っ黒に塗りつぶされていてた。なぜかスチュアート中佐側にも、半端な報告書しか与えられない。報告書に訓練生時代の同期であるニール・バックランド(ザッカリー・リーヴァイ)の名前をみつけた中佐は、彼に相談を持ち掛けるが、『機密だ』と一蹴される。」
パンフレットにジャーナリストのシェリーめぐみさんが次のように書いています。
「アメリカ人は驚愕した。拷問というのはスパイ映画などフィクションの世界のものと思っていたのが、自分の国が実際にやっているのを見せつけられたのだ。実はその少し前にはイラクでの捕虜に対する虐待や拷問がショッキングに報道された。アメリカ軍のモラル低下を嘆く声は怒りにも変わった。人権を侵してでもどんな手を使ってでも容疑を立証したかった当時のブッシュ政権が、どれほど追い込まれていたかがわかる。報復を叫んで侵攻したアフガニスタンで結果を出すことができず、続いて侵攻したイラクでは、その理由だった大量破壊兵器の存在が嘘と発覚した。また9.11テロ直後に主犯ビンラディンの家族を10人以上サウジアラビアに緊急帰国させたこともでも非難されていた。もちろん9.11で3000人もの人々を殺したテロリストに対して、拷問ぐらい当たり前だと言う人もいた。しかし、この国は自由で平等であるにもかかわらず、公正でもあると教わって育ったアメリカ人への衝撃は小さくなかった。この頃から若者の政治への不信が募っていく。」
大量破壊兵器を持つ国への報復戦争という嘘に基づく戦争が破綻する中、グアンタナモ収容所に収容されている9.11の容疑者を人権を侵す拷問によって容疑を立証しようとした実態がこの映画で見事に描き出されています。
シェリーめぐみさんは、現代のアメリカについてこう書いています。
「アメリカ人はこの国は平等と自由、公正を重んじる国であると教えられてきた。そのためある者は現実との矛盾で苦しみ、ある者はそこから目を背けてきた。しかし、今の若者たちは少し違うように見える。アメリカはまだ理想を達成する途上にあると彼らは考えている。奴隷制から数々の戦争まで、これまでの過ちを暴き検証して正していくことで、新たな未来が開けると信じている若者は少なくない。これは去年燃え上がったブラックライブズマター運動にも共通している。映画では主人公たちが暴き出す真実が見る者に大きな希望を与えるが、アメリカの未来を救うのもまた、真実だけなのかもしれない。」
12月19日付しんぶん赤旗日曜版にフリージャーナリストの青木理さんが次にように語っています。
「いま必要なのは、ファクトを抉り出して政府や与党の責任に迫る、徹底した『批判力』です。そのための共産党の情報取集・調査能力は高いと思っています。『野党は批判ばかりを改めよ』とのメディアの主張は、権力や与党の悪事を黙認しろというのに等しいものだと思います。このことは野党にも問われていることです。」
平等と自由、公正を重んじる国になるために、真実を明らかにしなければならない、そこにこそ未来があるということをこの映画で感じました。
前副知事が、自民党の国会議員の後援会の勧誘を県庁内で大々的に行っていたという容疑で略式起訴される事件が年末に起こりました。
自民党の誰が、前副知事に指示したのかの真実を明らかにする責任のある野党の県議会議員の一人として新年からしっかり役割を発揮していこうとこの映画に励まされました。真実を明らかにしてこそ県政の未来が開かれることを信じて今年もしっかり働いていこうとこの映画に励まされました。
是非、一人でも多くの皆さんに映画「モーリタニアン」を観ていただきたいと思います。
映画の原作であるモハメドゥ・ウルド・スラヒさんが書いた「モーリアニアン 黒塗りの記録」を購入しました。正月休みの間に読みたいと思っています。
映画「モーリタニアン」をご覧になった皆さんはご感想をお聞かせ下さい。
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