9月6日、中国新聞は社説で、「介護職員不足」について次のように書きました。
「厚労省は、高齢者がピークの3900万人超となる2040年度に、介護サービス事業所などで働く職員が全国で約280万人必要になるとの推計を公表した。19年度の約211万人から約69万人という大幅な上乗せが求められる。単純計算で、毎年3万3千人ずつ増やしていかなければならない。これほどの人材を確保するのは容易ではなかろう。将来にわたって介護サービスを維持することができなくなる可能性もある。介護保険制度があっても、必要とする人がサービスを受けられないという危機的な状況に陥りかねない。『介護難民』が社会にあふれるような事態は避けなければならない。政府は強い危機感を持って、介護分野の人材確保に向けた対策の強化に取り組む必要がある。都道府県がまとめた介護サービスの規模や利用見込みなどから算出した。40年度の推計は初めてとなる。大都市圏での不足が深刻である。職員の増加ペースが現状のままだと、最も多い東京で40年度に約7万2千人が足りなくなる。次いで大阪が約6万7千人、神奈川が約4万6千人不足すると試算されている。広島は約1万1千人、山口は2700人、岡山は約4100人が不足する見通しだ。」
中国新聞の社説にある厚労省のデータは、厚労省が7月9日に公表した「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」というものです。厚労省は、「第8期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を見ると、2023年度には約223万人(+約22万人・5.5万人/年)、2025年度には約243万人(+約32万人・5.3万人/年)、2040年度には約280万人(+約69万人・3.3万人/年)となった。()内は、2019年度(211万人)比。国においては、①介護職員の処遇改善、②多様な人材の確保・育成、③離職防止・定着促進・生産性向上、④介護職の魅力向上、⑤外国人材の受入環境整備などの総合的な介護人材対策に取り組む」としています。
日本共産党の志位和夫委員長は、党創立99周年記念講演「パンデミックと日本共産党の真価」で、「この1年半、パンデミックのもとで古い自民党政治の矛盾が噴出し、その歪みの根本をただす改革が、いよいよ切実になっている」として、「医療崩壊」について次のように述べました。
「医療崩壊が現実のものとなりました。4月から5月の大阪では、多くの重症患者が重症病床棟に入院できず命を落としました。感染者の8割以上が『自宅待機』を強いられ、自宅で亡くなる方が相次ぎました。介護施設で『待機』させられた高齢者が次々に亡くなりました。『助かる命が病院のベットの上にさえあがれず、こぼれ落ちていった』。医療現場からの痛恨の告発であります。こうした医療崩壊が、いま東京や全国で再現される危険が迫っており、その打開は急務であります。こうした事態をもたらした責任は、政治の誤ったコロナ対応にありますが、根底には、長年にわたる医療・公衆衛生切り捨ての新自由主義の政治があることを、私は、強い憤りをもって告発したいと思うのであります。」
私は、大学で、「人間裁判」と呼ばれた「朝日訴訟」について学びました。
浅沼裁判長による東京地裁の判決文に次のような件があります。
「最低限度の水準は決して予算の有無によって決定されるものではなく、むしろこれを指導的支配すべきものである。」
2040年に1964年生まれの私は、76歳の後期高齢者となります。
その時に、介護職員は、19年度より約69万人の上乗せが必要となる、山口県でも2700人の介護職員の上乗せが必要となるとの試算を厚労省が発表したのです。
介護の最低限度の水準を決して予算の有無によって決定してはいけません。必要な人材は財源を確保すべきです。
介護報酬を引き上げ、低賃金に据え置かれている介護職員の賃金の引き上げが急務です。
私は、来たる9月県議会の県議会環境福祉委員会の中で、介護職員の確保に対する県の見解を質したいと思います。
介護現場で働く皆さん、皆さんの声をお聞かせ下さい。
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