議員日誌

渉外知事会が、在日米軍でのコロナ感染対策に関し特別要請

 米軍基地や関連施設のある山口県など15都道府県の知事らでつくる渉外関係主要都道府県知事連絡協議会(略称:渉外知事会)は、18日、茂木外務大臣と河野防衛大臣に対して「在日米軍における新型コロナウイルス感染症対策に関する特別要請」を行いました。

 緊急要請は、冒頭これまでの改善点と問題点をこう指摘しています。

 「在日米軍における、新型コロナウイルス感染症対策については、本年5月27日に、本協議会として、適時・適切な情報の公表や在日米軍における感染防止対策の強化等を要請いたしました。その後、7月に在日米軍は、従来の方針を改め、基地ごとの感染者数を公表することとなり、また、在日米軍基地を通じて入国する全ての人員に対し、PCR検査を実施することが発表されました。」「一方で、沖縄県の米軍基地において大規模な感染が明らかになるなど、基地周辺住民の方々の安全と安心に関わる事態も次々に発生しております。これまで発生した事態や対策をしっかりと検証し、今後、在日米軍における新型コロナウイルス感染症対策について、常に最善の措置を取られるよう、改善を図っていく必要があります。」

 具体的に6点指摘しています。

 第一は、「沖縄県の米軍基地での感染拡大について、早期に原因を究明するとともに、原因に応じた感染防止策を実施すること。」です。

 具体的には「早急に原因を究明するとともに、原因に応じた感染防止対策をとること」を求めています。

 第二は、「平成25年の日米合同委員会合意に基づく衛生当局間の情報提供については、迅速かつ的確に行われるよう米側に働きかけること。また、同合意に位置付けられていない米軍基地と衛生当局間の情報交換が可能となるよう早急に仕組みづくりを行うこと。」です。

 具体的には「沖縄県の米軍基地における感染情報については、当初の段階では、日米合同委員会合意に基づく必要な情報提供が迅速に行われず、課題が生じたと認識しています。患者発生時の行動履歴などの情報提供は、衛生当局が必要な対策を取るための基礎であるため、常に迅速かつ的確に行われるよう、米側に働きかける」ことなどを求めています。

 第三は、「地域における日米当局間の協議など、関係機関が連携するための仕組みづくりを行うこと。」です。

 具体的には、「現行の日米行動委員会合意には、感染者が生じた場合等に日米の衛生当局が具体的にどのように連携するのか示されていません。衛生当局間の協議の在り方も含め、関係機関が連携するための仕組みづくりについて、国が主導して行う」ことを求めています。

 第四は、「米軍関係者による空港利用に関し、検疫対策を強化するとともに、米軍関係者が、感染拡大防止のため国や自治体が定めたルールを順守するよう、米側に働きかけること。」です。

 具体的には、「7月12日には、岩国基地所属の米軍関係者が羽田空港で入国後、我が国が定める検疫ルールを無視する形で岩国基地まで移動し、その後感染してことが明らかになりました。このようなことは本来あってはならないことであり、感染拡大防止のため、安易にルールを破られないよう、検疫体制を強化するとともに、国や自治体が定めたルールを順守するよう、米側に働きかけること」を求めています。

 第五は、「検疫の対象や方法について、日米間で適宜協議を行うこと。また、原則として日本国内法令が定める基準に従って行われるよう、日米間で早急に取りまとめること。」です。

 具体的には、「7月24日に、在日米軍基地を通じて入国する全ての人員に対し、PCR検査を実施することが発表されましたが、検疫は水際対策の根幹であるため、対象や方法について、日米間で適宜協議を行うことを求めます。また、原則として日本国内法令が定める基準に従って行われるよう、日米間で早急に取り決めること」を求めています。

 第六は、「駐留軍等労働者等の感染防止対策に万全を期すこと。」です。

 具体的には、「在日米軍基地には、多くの駐留軍等労働者が勤務しています。この方々の安全を守るため、感染防止対策に万全を期すことは国の重要な責務です。日米間でしっかりと連携し、駐留軍等労働者の方々の感染防止対策に努めること」などを求めています。

 日本共産党県委員会と同県議団は、村岡知事に、7月20日、「米軍基地における新型コロナ感染拡大防止対策の強化を求める申し入れ」を行いました。

 日本共産党大平喜信前衆議院議員と同広島県委員会と同山口県委員会は、7月28日、河野防衛大臣に「米軍基地内等での新型コロナウイルス感染防止対策を求める申し入れ」を行いました。

 これらの主旨と、今回、渉外知事会が行った申し入れの主旨は、通じるものがあります。

 根本的には、地位協定を改定し、米軍基地内に国内法を適用させることが重要だと考えます。

 同時に、米軍基地で働く日本人労働者にもPCR検査を必要に応じ実施する体制が岩国基地でも構築されることが必要だと思います。

 米軍岩国基地内で5人目の感染が明らかになるなど、コロナ第二波と言われる状況の中で、米軍基地内での感染拡大防止が更に求められています。

 今後とも必要な発言を継続していきたいと思います。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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