議員日誌

陸上イージス適地調査結果に係る学術シンポ

 昨日、萩市むつみコミュニティーで「イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会」主催による「『適地調査の結果&防衛省の検討結果説明の説明』に係る学術シンポジウム」が開かれました。

 コメンテーターは、地質学が専門の君波和雄山口大学名誉教授、地盤工学が専門の上俊二徳山高専教授、環境科学が専門の大田啓一滋賀県立大学名誉教授が務めました。

 君波山大名誉教授は、防衛省の報告書33ページについて二つの問題点があると指摘しました。

イージス学術シンポ

昨日のイージス学術シンポ(左端が君波名誉教授)

 第一は、断面図が一色で塗られており、基盤さえ書かれていないことです。具体的には、①ボーリングが基盤まで到達していない②地下の地質を明らかにするためには、基盤に達するボーリングが複数必要③到達していないのであればボーリングの再調査を要求、の問題があると指摘しました。

 第二は、地下水の通路となっている透水層をボーリングで確認したか?透水層は、どんな岩石だと考えているのか?の問題があることです。

 具体的には、①地下水を考える場合、これが出発点、防衛省に確認する必要有り②断面図に透水層を入れるべき、の問題があると指摘しました。

 報告書33ページに関しては、①北側に流れないとは言い切れない②「2年から9年かけて湧水としてでてくる」という解釈に問題がある③演習場北部のかなりの部分がコンクリートで覆われることになる(浸透しないで流失してしまう雨水をどうやって地下に戻すのか確認する必要がある。対策に実効性があるのか。「地下地質」のデータを出す必要がある、の問題があると指摘しました。

 報告書36ページに関しては①東台の下の地下水を北から南に流しているが、間違いだろう、逆向きの南から北が正解だと思う、北から南だと言うのであれば、それを説明する合理的な地下構造図とその根拠を示すべき②西側の地下水の流域界線の位置が西側すぎるのではないか。これを合理的に説明する地下構造図とその根拠を示すべき、と問題点を指摘しました。

 防衛省は、報告書69ページの西台の標高が間違っていたことを認めました。

 君波先生が指摘する報告書36ページの地下水の流れが逆だとの指摘は重大です。

 防衛省は、再調査し、間違いがあるのであれば、県民に説明すべきです。

 徳山高専の上教授は、報告書33ページで、地図中央左部分にボーリングデータが無く、報告書34ページの同様の箇所に地下水の流れが書かれていない理由を防衛省は示すべきだと指摘しました。

 併せて、報告書36ページでも同様の箇所が「不透水層」とされているが、このエリアでボーリング調査がされていないのなら、なぜ、不透水層と言えるのか、防衛省は根拠を示すべきだと指摘しました。

 報告書45ページでは、構造物等が下流部の羽月の湧水に影響がないのか疑問だと指摘しました。

 更に、報告書、86ページから910ページに、地下水や湧水を守る措置を講じるとされている部分について「イメージ図ではなく実際の配置図を示すべき」と指摘しました。

 上教授の報告書33ページから36ページの地図中央東側部分でボーリング調査が行われていないのに、不透水層だとしている根拠を示すべきとの指摘は重大だと思います。

 防衛省は、この点は明確に県民に説明すべきです。

 大田名誉教授は、増山山大名誉教授のレーダー電波に関する説明を報告しました。

 増山名誉教授は、メインビームの向いている仰角から2.5度低角でもメインビームの中心強度の5百分の1の強度があることを指摘し、「西台の傾きをかわすには、仰角は9度以上必要」と指摘しました。

 また、「報告書45ページの設置案4では、レーダーの位置は524m。地上からの高さと、レーダーのサイズが4メートルはあるので、標高540メートルから電波が出ていると考えられる」と指摘しました。

 増山教授の「メインビームが西台をかわすには、仰角9度以上必要」との指摘は重大です。

 むつみ演習場が、本当に適地と言えるのかどうかの大前提となる問題です。

 防衛省は、仰角5度以上にすると言っていますが、防衛省の説明では、西台に広がりを持ったメインビームの一部が当たってしまいます。

 この点についても防衛省は、県民に十分な説明を行うべきです。

 とても、有意義な学術シンポジウムでした。

 これからも可能な限り現場に出かけ、しっかり学んでいきたいと思います。

 イージス・アショアについての皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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