進藤榮一・白井聡著「『日米基軸』幻想 凋落する米国、追従する日本の未来」を読んでいます。
進藤榮一さんが書かれた序説「衰退するアメリカとトランプ政治のこれから」を見てみます。
進藤さんは、冷戦終結後の「大逆転する世界」が登場したと次のように書いています。
「トランプ登場が意味する『パクス・アメリカーナの終焉』は、単にアメリカ主導の世界秩序が終わりを告げただけではありません。中国主導の世界秩序が生まれ始めたことを意味するだけではありません。それは、16世紀以来続いてきた米欧中心の『近代』が終焉し始めたことを意味します。広義のアジアが、広大なユーラシア大陸を主舞台に世界秩序の形成を主導する『ポスト近代』への静かなる序曲が奏でられ始めているのです。」
進藤さんは、トランプ大統領が「対北朝鮮向けの『抑止力』強化のための迎撃ミサイル兵器を売り込んだこと」について次のように書いています。
「トランプ帰国後の11月29日、北朝鮮は長距離弾道ミサイルを発射し、大陸弾道ミサイルICBM『火星15』の開発に成功していたこと。こうした事実は、日、韓が購入した超高額の最新鋭兵器群(日本は、15年に購入済みのオスプレイ17機に加えて、地上配備型ミサイル防衛ステルス兵器、イージス・アショア2基、韓国は、終末高高度迎撃ミサイルTHAAD一台)のそれぞれの配備が、北の核兵器開発に観る『攻撃的』行動を押しとめるために、何の『抑止力』効果も持たないことを明らかにしています。それにもかかわらずトランプ大統領は、極東における北朝鮮の『脅威』に対して、覇権秩序維持国として中長期的な外交戦略を語ることは一切ありません。ただ『死の兵器商人』としてディール外交を—米韓合同演習や米空母軍団の展開など一連のショック戦術を交えて展開するトランプ流外交術を—世界に見せつけるだけでした。それが、トランプ登場後のアメリカ外交の実態です。そしてわが国政治は、そのトランプ流ディール外交を『100%支持する』というエールを、今日まで送り続けています。」
山口県萩市に、イージス・アショアが配備されようとしています。
進藤さんは「何の『抑止力』効果も持たないことを明らか」にしたと書いています。
進藤さんは「ただ『死の兵器商人』としてのディール外交を」進めるトランプ政権に、わが国政府が「『100%支持する』というエールを、今日まで送り続けている」ことに警鐘乱打しています。
進藤さんが指摘するアメリカを「100%支持する」ばかりの日本政府の姿勢は私も大いに問題があると思います。
また、『抑止力」として効果を持たないイージス・アショアという指摘は重大です。日本政府は再検討しなければならないと思います。
日本政府のイージス・アショアの購入は、ただただトランプ米政権による兵器購入に応えただけであったと批判は免れない状況です。
引き続き、「『日米基軸』幻想」を読み、日本と世界を学びたいと思います。
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