議員日誌

ホテルルワンダ

 HNKラジオ「すっぴん」金曜日の「高橋ヨシキおシネマストリップ」で23日、「ホテルルワンダ」を紹介していました。

 1994年、ルワンダで起こったルワンダ虐殺で、ツチ族の人々が120万人以上虐殺される事件が起きました。

 「ホテル・デ・ミル・コリン」で働いていた副支配人のポールが仲介に入り、1268人の家族や難民の命を救うことができました。

 21世紀を直前にした世界で、何故、ジェノサイドが起ったのか、考えさせる映画でした。

 虐殺が始まるとラジオから「ゴキブリを殲滅させよう!」と扇動です放送が繰り返されます。

 私は、ベトナム戦争の帰還兵、アレン・ネルソンさんの「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか」を思いだしました。

 ネルソンさんは海兵隊に入り教官からたたき込まれたのは「殺す!」ということでした。

 教官が新兵に問います。

 「おまえたちは何者だ?」

 新兵は「海兵隊員です!」と答えます。

 教官は、「おまえたちのしたいことはなんだ?」と更に問います。

 新兵は、「殺す!」と答えます。

 ネルソンさんは、ベトナム人を「人間じゃない」と心に決めたと語ります。

 丹羽宇一郎さんは「戦争の大問題」でこう書いています。

 「人は同じ種である人を殺すことに本能的に強い抵抗がある。しかし、相手を人として下等に見る。人間扱いしないほど侮蔑することで殺人に対する抵抗感が薄くなるという。同胞相手には到底できないような残虐行為、略奪、放火という犯罪行為でも、人ではないと見下している相手には強い抵抗なくできるようになるのだ。ある国民を差別、侮蔑することは、戦争という殺し合いに対する安全装置を外すことにつながるのである。」

 ツチ族とフツ族は、ヨーロッパから持ち込まれた分別だったようです。

 ツチ族・フツ族の分別を欧米諸国が利用してそれぞれの国の利権を拡大しようとした背景がルワンダ虐殺事件にはあったようです。

 映画では、ツチ族とフツ族の身体的な違いがないことを描いています。

 映画では、ルワンダ虐殺を欧米諸国の人々は現認した上で、ルワンダを見捨て、自国に帰るシーンがあります。

 欧米諸国の意向に翻弄されたアフリカの帰結の一つがルワンダ虐殺だったのだと思います。

 この映画で、「人と人とが殺し合う」世界を亡くすためにはどうしたらいいのかを考えさせられました。

 「人が人を人間として見ない」これが戦争であることが分かりました。

 ベトナム帰還兵のネルソンさんは、憲法「第9条こそが戦争をなくす唯一の道だと思うのです。」と書いています。

 戦争のない平和な世界をつくるためにはどうすべきかを映画「ホテルルワンダ」を見て考えさせられました。

 ルワンダ虐殺の事実を世界に発信した監督のデリー・ジョージさんの勇気に感服です。

 映画の力を感じることができました。一人でも多くの方に観ていただきたい映画です。

 映画評論家の高橋ヨシキさんにこの映画を紹介していただいて感謝します。

 最近観られたお薦めの映画をご紹介下さい。

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