議員日誌

小中高生減らない自殺

 21日付朝日新聞に「小さないのち 大切な君」という特集記事が掲載されていました。

 記事は、「警察庁の統計によると、2016年、320人の小中高校生が自殺で亡くなった。小学生12人、中学生93人、高校生215人。3分の2は男子だった。自殺者全体の数は03年の3万4427人をピークに減少傾向で、16年は2万1897人。06年施行の自殺対策基本法に基づく、相談窓口の整備などが背景にあるとされている。一方、小中高校生の自殺者はこの10年、年間300人前後で推移し、350人を越えた年も。厚生労働省によると15~19歳では自殺が死因の1位、10~14歳では2位だ。16年の小中高生の自殺の原因(複数の場合あり)を警察庁の統計でみると、『学業不振』など学校問題が36.3%、『親子関係の不和』など家庭問題が23.4%。『うつ病』など健康問題が19.7%。いじめが原因とされたのは6件(全体の1.9%)だった。」

 20付読売新聞に経済協力開発機構(OECD)が、2015年に行った国際学力到達調査「PISA」の結果と各国の高校生の生活について聞いた調査結果を公表した記事が掲載されていました。

 私が注目したのは、次の部分です。

 「今回は、テストへの不安感についても尋ねた。日本は『学校で悪い成績を取るのではないかと心配になる』生徒が81.8%でOECD平均より16.1ポイント高かった。『難しいのではないかと心配になる』生徒もOECD平均より18.8ポイント高い78.1%だった。」

 私は、小中学生の自殺が減らない一つの原因として、テストへの過度なストレスが日本の子どもたちを追い込んでいることがあるのではないかと感じました。

 日本の子どもたちがこのような状況にあるにも関わらず、文部科学省は18日、全国の小学校6年生と中学3年生全員を対象に、国語と算数・数学の2強化で全国学力テストを実施しました。

 文部科学省は、14年度からは、それまで禁止だった学校別平均点の公表を解禁し学校の序列化を加速しました。今年度からは各政令指定都市の平均点も公表することにしています。点数アップが最重要課題であるのうに文部科学省が指導しています。

 先日、ある学校関係者から「平均点の公表は、プレッシャーになっている。」旨の声をお聞きしました。

 全国学力テストは、2007年に第一次安倍内閣のもとで始められ、回を重ねるごとに点数教育を劇化させ、教育をゆがめているのではないでしょうか。

 抽出調査で済む学力テストを全員対照で実施し、学校別平均点を公表し、競わせることは、子どもにとっても教師にとっても有益なことなのか、今一度立ち止まって再検証する時だと思います。

 年間50億~60億円が使われている全国学力テストを廃止すれば、35人学級の完全実施が可能です。

 子どもたちの自殺が減らず、子どもたちが、テストへの不安感を高めている日本の状況の中で、更に子どもストレスを高める全国学力テストが必要かどうか、再検討すべきです。

 「点数対策」に子どもと教師をへとへとにさせるだけの「学力テスト」になっている現状なら廃止する方がいいと私は思います。

 子どもたちの自殺が減りません。皆さんはどうお考えですか。

 日本の子どもはテストへの不安感が国際調査で高い傾向です。どうお考えですか。

 全国学力調査は今後も行うべきでしょうか。

 皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

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