議員日誌

山口東京理科大学などで安全保障技術研究推進制度採択

 安倍政権は13年に「中期防衛力整備計画」を閣議決定しました。同計画では民生技術を軍事に積極的に活用する方針を打ち出しました。

 その具体化として、大学や研究機関に研究を委託し、防衛省が資金を提供する、防衛省の「安全保障技術研究推進制度」が昨年度から始まっています。

 予算は16年度の6億円から、17年度概算要求では110億円へ急膨張し、一挙に18倍化しています。現行は1件当たり年最大3千万円ですが、17年度は数十億円規模の助成も可能にします。

 しんぶん赤旗日曜版、11月20日号で、この問題の特集が組まれ、「安全保障技術研究推進制度」に採択された大学研究機関名が明らかにされています。

 2015年度は、応募が109件、採択は、神奈川工科大学など9件、2016年度は、応募が44件、採択が山口東京理科大学など10件となっています。

 井原聰・東北大学名誉教授は、しんぶん赤旗の特集の中で「『研究推進制度』の予算の大幅増は、日本の学界を本格的に軍事に取り込もうという政府の猛烈なメッセージです。科学技術の発展の在り方がゆがみはじめている」と警告しています。

 「戦争を目的とする科学の研究には、今後絶対に従わない」と日本の科学者を代表する公的機関の日本学術会議は戦後、2度にわたり軍事研究を否認する決議をあげてきました。

 防衛省の「研究推進制度」の応募件数は、15年度109件から16年度は44件に半減。軍学共同に反対する世論が広がり、さらには安保法制=戦争法廃止の世論が影響したとみられます。

 東大、信州大、山梨大、静岡大、電通大など同制度への応募を認めない大学も少なくありません。東北大、広島大は応募禁止を学内の会議で決定、新潟大、琉球大は大学の行動規範に「軍事研究は行わない」などを明記しました。

 軍学共同反対連絡会共同代表で、名古屋大学名誉教授の池内了さんは、しんぶん赤旗のインタビューで「国立大学などの運営交付金が削られ、軍の資金にも手を出さざるを得なくなっている現状は、『研究者版経済的徴兵制』です。」と指摘しています。

 予算が18倍に広がる2017年度予算で、少なくとも県内の大学及び研究機関が防衛省の「研究推進制度」に応募しないよう「軍学共同反対」の運動を強めていきましょう。

 そして、大学・研究機関に、軍の資金に手を出さざるを得なくなっている現状を改善するために、国立大学などの運営交付金の増額を国に求めていきましょう。

 県内に防衛省の出先機関が設置されることもあり、県内の大学・研究機関で、防衛省の「研究推進制度」を活用する動きが活発するのではないかと心配しています。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

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