16日未明、熊本県熊本地方を震源とする最大震度6強の地震が発生し、同県内で32人が死亡しました。県内では14日の地震でも9人が亡くなっており、一連の地震による死者が41人となりました。
それぞれの地震の関係はすべて明らかになってるわけではありませんが、大分から熊本にかけては「大分―熊本構造線」や「別府―島原地溝帯」とも呼ばれ、日本列島が形成される過程でできた、本州から四国、九州にかけての「中央構造線」と呼ばれる日本最大の断層帯の西の端です。大分側では「別府―万年山断層帯」、熊本川では「布田川・日奈久断層帯」などの断層が複雑に絡み合っています。断層の一部が動いたのがきっかけになって動かなかったところが動いたり、他の断層が動いたりするところもあり、警戒が必要です。
私の手元に山口大学の金折裕司教授による「山口県の活断層」という本があります。
この本は、表題の通り県内の活断層の概要が記されています。(以下の活断層以外にもいくつかの断層の存在が明記してあります。)
まず、広島県南西部から山口県南東部に位置する「岩国断層帯」です。
地震調査研究推進本部の評価では、活断層は約44キロで、マグニチュード7.6程度の地震が発生する可能性があるとされています。
次に、山口県中央部の大原湖断層系です。大原湖断層系を構成する断層は、大原湖断層、木戸山西方断層、山口盆地北西断層、吉敷川断層、下郷断層、宇部東部断層、仁保川断層があるとあります。
次に、山口県下関市豊北町豊田岬南部から南東に延び、山陽小野田市埴生に至る菊川断層帯です。地震調査研究推進本部の評価では、地層の延長が約44キロで、マグニチュード7.6程度の地震が発生する可能性があるとされています。
山口県に被害が出た地震は、1676年から現在までに21回発生したとあります。
マグニチュード7クラスの地震が、1686年(安芸、伊予)、1872年(石見、出雲)、1905年(安芸灘)で発生しています。
金折先生は、この本の中で「私たちはこの地震のない静穏期をいつまでも楽しむことができるだろうか」「兵庫県南部地震を契機にした『平成の活動期』はいつまで続くのであろうか?」と指摘されています。
私たちの住む地域にある活断層の存在を知って、必要な対策を取っていくことが、2016年熊本地震の教訓を山口県に生かしていく道だと思います。
皆さんの地域にある活断層についてのご意見をお聞かせ下さい。
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