17日付毎日新聞は、「県教委は16日、下関市立小学校1校で、2013年4月と14年4月に実施された6年生対象の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の問題を解く順番を児童に指示する不正があったと発表した。」「発表によると、不正があったのは、いずれも国語の応用力をみるB問題。テスト前日に校長、教頭、学級担任ら7、8人が問題の傾向を確認した。その上で、児童にとって『難しい』と判断した問題を後回しにし、先にとかせる順番を決定。全クラスでテスト開始前にこの順番を黒板に書き、口頭で児童に指示した。」「今年2月12日、下関市教委に通報があり発覚した。市教委の聞き取り調査に対し、校長らは『児童の最初の問題であきらめてしまえば正確な学力が分からなくなると思った』と説明し、『点数を上げる意図はなかった』と話したという。」などと報道しました。
文部科学省は、国公立の小学校6年生と中学3年生の全員を対象した全国学力テストを2007年から毎年実施しています。
日本共産党は、2014年の総選挙政策で学力テストについて「全国学力テストがはじまってから各地で学校が平均点競走に走らされ、『平均点をあげるため先生が正解を教える』『ドリルばかりでほんらいの授業がおろそかになる』など問題が噴出しています。学力形成に有害な全国学力テストを廃止し、学力の全国的調査は抽出調査とします。面白く分かる自主的な授業づくり、学習のおくれがちな子どもへのケアを手厚くするなどほんらいの学力形成をすすめます。」と提起しています。
大阪府教育委員会は、学力テストの結果を高校入試の内申点に反映する方針を発表しました。
学力テストの実施要領には「序列化や過渡な競走が生じないよう十分な配慮が必要」とされているのに、本末転倒な対応が行われていることを文科省は放置してはならないと思います。
1998年国連子どもの権利委員会がの「日本政府に対する報告書」の総括所見43に「競争の激しい教育制度が締約国に存在すること、ならびにその結果として子どもの身体的よおよび精神的健康に悪影響が生じていることを踏まえ、委員会は、締約国に対し(中略)過度なストレスおよび学校ぎらい(学校恐怖)を防止しそれと闘うために適切な措置をとるよう勧告する」とあります。
国連子どもの権利委員会が指摘している競走の激しい教育制度は改善されたとは言えず、子どもへの悪影響は否めない状況にあるにも関わらず、2007年から更に過度な競争を子どもに強いる学力テストを文部科学省は実施しています。
県内での不正事案もこのような背景があったのではないと私は思います。
全国学力テストには毎年60億円の予算が使われています。この予算を少人数学級の実施などに回すほうが、子どもの学力形成にとって有用ではないでしょうか。
県内での弊害が顕在化してきました。この際、全国学力テストは直ちに廃止すべきです。
全国学力テストについての皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
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