自衛隊トップの皮の克敏統合幕僚長が2014年12月の総選挙長後、米軍に対して戦争法案の成立時期を「来年夏までに」と伝達していたことが、2日の参議院安保法制特別委員会で明らかになりました。
日本共産党の仁比聡平議員が独自入手した統合幕僚監部の内部文書「統幕長訪米時の(ママ)おける会談の結果概要について」をもとに暴露したものです。
同文書によれは、自衛隊は、安倍首相が4月末の米上下両院合同会議で「この夏まで」の法案成立を表明した半年近く前から、米側に法案の成立時期を示しています。
文書は、河野氏が14年12月17日から18日にかけて米国防総省や米軍高官7氏と相次いで行った会談の概要です。同24日に提出され、文書には「取扱厳重注意」と記されています。それによると、河野氏は12月17日のオディエルノ陸軍参謀総長との会談で、戦争法案について「予定通りに進んでいるか?何か問題はあるか?」と問われ、「与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えている」と答えています。
仁比氏が暴露した内部文書について中谷元・防衛相は「いかなる資料か承知していないのでコメントすることはできない」と答弁しました。
仁比氏は、内部文書を中谷防衛相に手渡し、文書の存在を確認して委員会に正式に提出するよう求めました。
中谷元・防衛相は、4日の参議院安保法制特別委員会で、河野克俊統合幕僚長防米記録の内部文書の存否について「来週の月曜日(7日)、早い段階に報告できるよう努力する」と明言しました。
4日のしんぶん赤旗日刊紙には、「自民党議員の一人は『共産党がいい資料をどんどん出してくる。内部文書には自衛隊幹部の『了』の文字が並んでいる。これは間違いない』と指摘。『こういうのをどんどん突っ込まれたら本当に苦しい。統幕長更迭もありうるが、アメリカとの関係も難しい。シビリアンコントロールの苦しい問題だ』と苦しい表情を浮かべます。」と報道されています。
私も防衛省に昨年12月24日に提出された「統幕長訪米時における階段の結果概要について」とする内部文書の写し入手しました。
オディエルノ陸軍参謀長が「現在、ガイドラインや安保法制については取り組んでいると思うが予定通りに進んでいるか?何か問題はあるか?」と質問したことに対し、河野統幕長が「与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えている」と答えています。
そして一枚目には、統合幕僚長などの幹部が『了』としている文字が大きく読み取れます。
この文書は、法案作成はもちろん、そのための与党協議さえ始まっていない段階で成立の見通しを米側に伝達していたもので、国民や国会を無視した自衛隊の許しがたい暴走です。
この間、統合幕僚監部の暴走をかばいだてしてきた安倍首相や中谷防衛相の責任は重大です。国会での事実の究明は不可欠であり、自衛隊の暴走に拍車をかける戦争法案は廃案しかありません。
戦争法案に対する皆さんのご意見を引き続きお聞かせ下さい。
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