石井裕也監督の映画「バンクーバーの朝日」を観ました。
今年最後に観る映画になると思いますが、今年観た映画の中でも5本の指に入る秀作でした。
物語は、カナダに移民した日本人が作った野球チームの活躍を描いたものです。
第一は、脚本の良さを感じました。
移民1世の想い、2世の想いをあまり喋りすぎずに、リアルに感情を描ている所の凄さを感じました。
中盤の野球シーンで喜びと涙が爆発する映画でした。
第二は、時代背景をきっちり描いたいい作品だと感じました。
真珠湾攻撃以降、移民した日本人たちは、バンクーバーの移民街からの退去を強制されます。
もちろん野球チームも解散です。
移民日本人たちは、強制収容所へ。
戦争の無慈悲さが見事に描かれた作品でした。
2003年日系人野球チーム「バンクーバー朝日軍」がカナダの野球殿堂に入ります。
その背景には、カナダにとどまった日本人移民2世たちの戦争中の差別的政策に対する抗議運動「リドレス運動」があったと映画のパンフレットにありました。
戦争による負の遺産に対し、カナダ政府と国民が誠実に対応した一つの成果だと思います。
映画の最後には、このような史実もしっかり描かれています。
石井裕也監督は、まだ30歳。
日本映画界を背負う逸材だとこの映画を観て実感しました。
早くも次回作に期待する私です。
石井監督、今日はありがとうございました。
映画は人生を豊かにしてくれます。
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