議員日誌

西岐波共同調理場委託に向け入札行われる

 宇部市は、学校給食調理場の民間委託を進めています。

 船木小学校共同調理場(船木小・楠中)は合併前に民間委託されています。

 来年度から西岐波共同調理場(東岐波小・中・西岐波小・中)を民間委託にする方針です。

 また、来年度の2学期から、新学校給食センター(恩田小・新川小、藤山小、上宇部中、桃山中、藤山中、鵜の島小、常盤中)を民間委託しようとしています。

 10月25日には、西岐波共同調理場を委託するための入札が行われました。

 入札の結果、受託業者は「㈱グリーンハウス」(本社東京)に決まりました。

 入札に応じた業者は8社(内2社が辞退)でしたが、いずれも県外の業者でした。

 地域産業の育成が叫ばれる中、山口県内で学校給食を作った実績のない、東京を本社とした企業が、落札したことに、私は、疑問を抱きます。

 ㈱グリーンハウスは、横浜市で学校給食の委託を受けています。

 その募集要項をみると時給868円であり、神奈川県の最低賃金そのままの額です。

 船木小学校共同調理場を受託している㈱魚国も新規採用を最低賃金ぎりぎりの額で募集しています。

 労働組合の運動の成果があり、宇部市の学校給食の嘱託職員の時給は、現在955円ですが、民間委託によって、㈱グリーンハウスに新規採用される職員の時給は、山口県の最低賃金701円当りになるのではないかと危惧します。

 これでは、民間委託はワーキングプアを拡大するものとなるのではないか危惧します。

 昨年策定された「宇部市産業力強化・雇用対策アクションプラン」には、「学校給食調理業務の民間委託により平成26年度に50人の間接雇用が増える」とあります。

 現在、宇部市学校給食センターと西岐波共同調理場には、28人の嘱託職員がいますが、この方々の職がなくなることは明らかです。

 一部の方は、宇部市学校給食の別の調理場や、グリーンハウスへ雇用される方もいるでしょうが、「民間委託によって50人の雇用拡大」と言えないことは明瞭です。また、先に指摘したように、新たな職場は、失われた職場より労働条件が下がる事が懸念されます。地域経済にとって単純に50人の雇用が増えたと喜べないことは明らかです。

 9月の市議会で、市教育委員会は、学校給食の民間委託について市民の「理解を得た」旨の答弁を行っています。

 しかし、少なくとも民間委託される関係小中学校の保護者に十分な説明がされたといえる状況にはないと思います。

 また、7月9日に行われた「宇部市学校給食運営委員会」の中で、宇部市PTA連合会から委員として委嘱された私は、「発注者が、請負業務の作業行程に関して仕事の順序、方法などの指示を行ったり、あるいは労働者の配置、労働者一人一人への仕事の割り付けなどを行えば偽装請負になる。民間委託された学校給食調理場では、こういう事実上の偽装請負が横行する」「食物アレルギーを有する子どもたちへの対応が求められる中、民間委託で対応できるのか」などの問題を指摘しました。

 少なくとも、宇部市学校給食運営委員会委員の私は、その時の教育委員会の回答に納得していません。

 にも関わらず、9月議会で、民間委託に理解が得られたとする回答を行った教育委員会の姿勢に納得できません。

 以上から、私は、西岐波共同調理場を民間委託するための入札を行ったことは時期尚早と考えます。

 民間委託の入札をする前に、関係する学校の保護者へ通知するなり、宇部市学校給食運営委員会委員に説明すべきだったと思います。

 西岐波共同調理場の民間委託に向け入札が行われました。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

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