第9回「このミス」大賞受賞作品、乾緑郎著「完全なる首長竜の日」を読みました。
舞台は、植物人間状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された近未来。
漫画家の淳美が、自殺未遂により意識不明になった弟の浩市との対話を続けます。
奄美諸島や漫画家を取り巻く描写が秀逸です。
また、植物状態になった患者とコミュニケートできる医療機器をめぐる、患者の症状や医療関係者が喋る中身についても作者の苦労が伺えます。
「夢か現実か」、読者は、翻弄されますが、一気に読ませるところが作者の力なのでしょう。
同類の作品に出合ったことがない新しい感覚の物語でした。
ではありながら、淳美の人生に愛着を感じる結末に余韻が残ります。
人間ドラマとして出色の作品です。
この作品は、「リアル~完全なる首長竜の日~」という映画になります。
監督は、黒沢清。主演はドラマ「とんび」の佐藤健と大河ドラマ「八重の桜」の綾瀬はるかです。
6月1日からロードショーです。
この異色のミステリーが、どのような映画になるのか今から楽しみです。
読んだ本が映画になるのは嬉しいものですね。
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